研究課題/領域番号 |
19K16234
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
西原 亜理沙 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 学振特別研究員 (80837774)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 微生物生態系 / 物質循環 / 窒素固定 / 微生物培養 / 進化 / 発酵細菌 / 化学合成 |
研究開始時の研究の概要 |
生態系が単純である熱水化学合成微生物群集において、窒素固定細菌の働きと群集への貢献度を明らかにし、そこに存在する原始的な窒素固定細菌の生理学的性質を明らかにすることを目的とする。窒素固定生物は35 億年前には出現していたとされるが、地球史上で初期に窒素固定を行なっていた微生物の研究はほとんどない。本研究で、単純な熱水生態系を使うことによって、窒素固定微生物の研究がほとんどなかった化学合成生態系における窒素固定細菌の生態的役割について解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、熱水化学合成微生物群集から新たに70度以上で窒素固定をするFirmicutes門に属する発酵細菌を分離した。分離株のゲノム解析を行ったところ、従来 の窒素固定細菌とは異なり、特徴的な窒素固定遺伝子群を保持していることが分かった。また、窒素固定遺伝子の系統解析の結果、分離株の窒素固定遺伝子は超 好熱性アーキアが持つものと系統的に近いことが分かった。窒素固定遺伝子の系統樹から、分離細菌は超好熱性アーキアと共に窒素固定能を得ており、初期に誕 生した窒素固定生物であることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
窒素固定細菌は原始地球が高温であった約35億年前に、化学合成生態系で出現したとされるにも関わらず、これまで高温ではあまり研究されてこなかった。高温の化学合成生態系における窒素固定の研究は、生態系における窒素固定細菌の生態的役割だけでなく、窒素固定の進化的観点においても重要な研究課題である。
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