研究課題/領域番号 |
19K16237
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
藤岡 慧明 同志社大学, 研究開発推進機構, 准教授 (00722266)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | バイオロギング / GPS / 超音波 / コウモリ / 採餌 / 移動生態 / データロガー / マイクロホンアレイ / エコーロケーション / ナビゲーション / 行動生態 / 生物ソナー / 最適採餌 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、コウモリが風力発電機に衝突して死亡する事故が多発している。一方で、野外におけるコウモリの採餌や移動およびその際の超音波利用に関する生態には未だ不明な点が数多い。その理由として、夜行性であることや行動範囲の広さといった、調査の難しさが挙げられる。そこで本研究では、動物に直接機器を装着して移動軌跡などのデータを得る『バイオロギング』の手法を用いることによって、大規模空間にて採餌飛行を行うコウモリの超音波利用や飛行動態を計測し、コウモリの環境利用や採餌戦略を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では,大規模空間におけるコウモリの採餌にまつわる行動生態を明らかにするため,企業と共同開発した音響GPSデータロガーをコウモリに装着するとともに音響定点観測も行うことで,超音波利用と移動行動生態の詳細について調べた.回収されたロガーデータから,キクガシラコウモリがおよそ1-2分間隔で獲物捕食を行っていること,ヤマコウモリが対地高度200 m以上の高度で採餌していることが初めて明らかとなった.また,超音波の定点録音によって捕食行動に伴う超音波利用の詳細も得られてきていることから,今後のデータ蓄積によりさらに詳細な分析が可能になり,コウモリの採餌行動生態の理解が大きく進むことが期待される.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2016年のパリ協定の発効に伴い、日本政府が風力発電の積極的な導入計画を掲げた一方で、小コウモリ類が風車に衝突して死亡するケースが多発している。本研究で得られた成果は,これまで全く不明であったコウモリの日々の採餌のための移動生態の一部を超音波利用とともに明らかにしたものである.今後、本研究によって構築したノウハウによりデータを蓄積することができれば、コウモリ類の風車衝突を減らすための生態学的知見が得られることが期待できる.
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