研究実績の概要 |
終夜睡眠における音刺激プログラムの使用,および気分と睡眠に関する質問紙課題を含めた実験パラダイムを用いて,被験者盲検の音刺激と音刺激なしのクロスオーバー試験を行った。健常成人16名を対象として実験を終了した。音刺激による睡眠徐波の増強は不安を改善するとの仮説をたてて実験を進めたが,主観的な質問紙調査においては,音刺激は不安を改善しないことが明らかになった。一方で客観的な生理学的指標の一つの心拍変動解析指標では,音刺激条件でいくつかの指標で変化を認め,音刺激の徐波増強による不安や心機能の改善が示唆された。 研究成果について,日本睡眠学会にて口頭発表を行った(鈴木 陽子, 丁 寧, 神林 崇, 阿部 高志. 閉ループ聴覚刺激を用いたノンレム睡眠中の徐波増強が不安に及ぼす影響.日本睡眠学会第45回定期学術集会・第30回日本時間生物学会学術大会 合同大会. 2023年9月15日発表)。また,SLEEP 2024に抄録が受理され,ポスター発表の準備を進めている(Yoko Suzuki,Ning Ding,Kazuki Sato, Zishan Wang, Yurina Suzuki, Yumeka Oiwa, Takashi Kanbayashi,Takashi Abe. Effects of slow oscillation enhancement during NREM sleep using closed-loop auditory stimulation on anxiety. SLEEP 2024. 2024年6月4日発表予定)。この抄録はJournal Sleepの特別号に収録される予定である。
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