研究課題/領域番号 |
19K16247
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
横井 佐織 北海道大学, 薬学研究院, 助教 (10772048)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | オキシトシン / メダカ / 配偶者防衛 / シナプス刈り込み / 社会性行動 / 配偶者防衛行動 |
研究開始時の研究の概要 |
配偶者防衛行動は「オス、オス、メス」の三者関係において観察される行動であり、多くの動物種で報告例が存在する。しかしながら、その分子神経基盤には未だ不明な点が多い。本研究では、マウスやヒトに存在するホルモンであるオキシトシンが、メダカの配偶者防衛行動に関与していることに着目し、オキシトシンが働くどの神経細胞が行動を制御しているかを明らかにする。そして、当該行動の進化的起源、ひいてはヒトの独占欲の起源解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究ではオキシトシンに着目し、メダカの配偶者防衛行動の神経基盤解析を行った。オキシトシンやその受容体遺伝子を欠失させたメダカのオスでは、初対面のメスに対する性的モチベーションが低く、配偶者防衛行動をほとんど示さなかった。 一方、生まれてから性成熟まで同じ水槽で飼育したメスに対しては、正常オスよりも強い配偶者防衛行動を示した。トランスクリプトーム解析により、シナプス刈り込みに関与するc1qの構成要素の全ての遺伝子の発現量がオキシトシン変異メダカにおいて減少していることが明らかになった。 オキシトシン変異メダカオスにおける配偶者防衛行動異常も神経刈り込み異常が原因になっている可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オキシトシンは、哺乳類において性別によらず絆形成に重要なホルモンであると考えられている。しかしながら、本研究で作出したオキシトシン変異メダカオスは、親密なメスに対してのみ過剰な配偶者防衛行動を示しており、これはメダカオスにおいてオキシトシンが絆形成を負に制御することを意味している。したがって、動物種や性別によってはオキシトシンの効果が異なるということを、今後念頭に置いて研究する必要性があると考えられる。
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