研究課題/領域番号 |
19K16248
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 熊本大学 (2021-2023) 北海道大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
人羅 菜津子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 講師 (40762191)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 神経科学 / 精神疾患 / 記憶学習 / 葛藤行動 / 意思決定 / うつ / 不安障害 / 光遺伝学 / ファイバーフォトメトリー法 |
研究開始時の研究の概要 |
ある行動を起こすべきか否かは、報酬刺激に誘発されて行動を促す Go シグナルと、嫌悪刺激に誘発されて行動を抑制する No go シグナルのバランスによって決定すると考えられる。この研究では、Go / No go シグナルが競合する際に、適切な行動を選択するための脳内メカニズムを解明することを目的とする。これまでの研究から、恐怖を乗り越えて報酬を獲得する時に活性化する神経回路を発見した。申請研究では回路の活動と行動の因果関係を証明し、メカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
報酬刺激と嫌悪刺激が共存する葛藤状況における適切な行動選択は、生物が環境に適応して生存するために重要である。葛藤状況にある動物は報酬を獲得するまでに、行動の制止、リスク評価といった、複数の意思決定段階を経るが、古典的な葛藤試験の多くは最終的に行動を起こした否かを評価するものであり、報酬獲得に至る異なる行動段階を区別して評価することが困難であった。私たちは、葛藤状況における異なる行動段階を定量的に評価できる新しいパラダイム、3コンパートメント葛藤試験を開発した。さらに、抗葛藤作用を有するジアゼパムを使用して、本試験の薬理学的妥当性を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
様々な精神疾患において、葛藤状況での正常な意思決定が困難になることが報告されている。例えば、注意欠如多動性障害や薬物乱用患者は、ネガティブな結果になることがわかっていても行動を制止することが難しい。また不安障害患者は、曖昧な情報に対してリスクを過大に評価しがちである。本研究で開発した3コンパートメント葛藤試験を用いることにより、葛藤状況における異なる意思決定プロセスを区別して評価することが可能となるため、疾患モデル動物の表現型解析やそれぞれの意思決定プロセスの神経メカニズム解明などの研究に有用であると考えられる。
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