研究課題/領域番号 |
19K16251
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
坂本 寛和 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任研究員 (10837397)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | シナプス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではシナプス伝達の分子機構を解明するため、シナプス小胞の放出位置を定める分子であるMunc13-1とシナプス小胞の放出効率を定める分子であるカルシウムチャネルの空間配置及び位置関係をナノメートルスケールで明らかにする。この目的のため、蛍光免疫組織化学染色法にてMunc13-1とカルシウムチャネルを共染色した脳組織切片のシナプスにおいて、一分子計測法を基盤とした超解像蛍光顕微鏡による三次元局在計測を行う。
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研究成果の概要 |
シナプス伝達は脳機能の根幹である。本研究ではシナプス伝達効率を制御する分子機構を解明するために、神経伝達物質放出に必須の分子であるMunc13-1と電位依存性カルシウムチャネルのシナプス内配置および分子間位置関係をナノメートルスケールで解析した。免疫組織化学染色法を最適化することによって、Munc13-1と電位依存性カルシウムチャネルを効率の良く標識する手法を確立した。また、超解像蛍光顕微鏡による多色の高精細分子局在測定法と組み合わせることで、海馬および小脳の数千ものシナプスにおけるMunc13-1とカルシウムチャネルの分子局在定量解析を実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、脳を構築する神経細胞間のコミュニケーションを担うシナプスに焦点を当てて研究を行った。シナプス伝達は脳機能の根幹であるが、その分子メカニズムは不明な点が多い。最先端の超解像顕微鏡技術と独自の分子標識技術を組み合わせることで、神経伝達物質放出に必須の分子群の局在配置を、膨大な数のシナプスにおいて定量する手法を構築することができた。今回の成果によって、シナプス分子の配置によってどのようにしてシナプス伝達効率が決定されるのかという神経科学における重要な問いに答えることができた。また、この成果は脳の機能を分子の観点から理解する上で大きな意味を持つ。
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