研究課題/領域番号 |
19K16275
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
櫻井 晃 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所神戸フロンティア研究センター, 主任研究員 (50749041)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | シナプス可塑性 / パブロフ条件反射 / 連合学習 / 記憶 / カルシウムイメージング / オプトジェネティクス / 摂食コマンドニューロン / ショウジョウバエ / 光遺伝学 / コマンドニューロン |
研究開始時の研究の概要 |
シナプスの可塑的変化によって記憶はつくられると考えられているが、両者の因果関係の解明については、「現在、我々の前に立ちはだかっている最大の問題は、ミクロな研究と、マクロな脳機能の研究との間に横たわっている深い溝を、繋げていく方法が必ずしも明確でないことである(塚原仲晃、脳の可塑性と記憶)」と指摘されている。そこで本研究では、神経活動の人為的操作や二光子顕微鏡を用いて、同定された中枢単一ニューロンと行動の同時リアルタイム観察によって、連合学習による行動変化を担うシナプスを同定し、シナプスのミクロな変化がマクロな脳機能の変化としての記憶へとつながる過程を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
機械的な刺激がショ糖刺激によって引き起こされる摂食行動に連合される独自のパブロフ型連合学習実験系について、学習後は条件刺激に対して特異的に摂食行動が起こりやすくなること、記憶形成への甘味感覚の寄与、そしてショ糖刺激に応答して摂食行動を司令する摂食コマンドニューロンが学習によって条件刺激に対する反応性を獲得すること、その反応性の獲得がシナプス後ニューロンである摂食コマンドニューロンの活動に依存することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
音とエサの情報を連合する実験に代表されるパブロフ条件反射は、一般に良く知られており記憶研究のモデルとして広く用いられている。本研究では、ショウジョウバエの脳と行動の同時リアルタイム観察により、その脳内機構を明らかにした。この機構の鍵となる摂食行動を司令するニューロンは哺乳類にも存在するため、進化的に保存された一般性の高い機構である可能性も考えられる。また、シナプス後ニューロンの活動が条件反射成立に必要であることから、記憶の一般仮説とされるHebb則で想定されるシナプス前後の相互作用の実態解明に今後資することが期待される。
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