研究課題/領域番号 |
19K16288
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
楊 熙蒙 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (80818922)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | アルツハイマー病 / 軸索再伸長 / 記憶回復 / Diosgenin / SPARC / Galectin-1 / diosgenin / 神経科学 / 神経薬理学 |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病(AD)では、脳内でAβが沈着することによって神経回路が破綻し、記憶障害が引き起こされる。本研究では、神経回路の再形成を困難にしている“萎縮した軸索”に着目し、脳の軸索を再伸長させることがADの記憶回復に重要であることを証明する。これにより、現代社会の急増するAD患者に対して有効な治療法を開発するとともに、脳の軸索がつながるべき部位に再伸長する現象とそれに関わる分子メカニズムを解明し、神経科学分野の発展に貢献することを目指す。
|
研究成果の概要 |
脳内でいったん萎縮した軸索(神経突起の一つ)を再伸長させることによって、アルツハイマー病に対する新規治療法を開発することを目指した。その結果、アルツハイマー病モデル(5XFAD)マウス脳内では記憶形成に関わる海馬―前頭前野間の軸索が萎縮しているが、薬物ジオスゲニンを投与すると本回路の軸索がつながるべき脳部位に再伸長することを初めて明らかにした。また、脳での軸索再伸長に重要な責任タンパク質として、SPARC及びGalectin-1を見出した。さらに、脳での軸索再伸長が確かに記憶回復に直接関わることを機能学的に証明した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの脳科学上の常識では、成体脳の軸索は再伸長することが難しいと考えられてきたが、本研究ではアルツハイマー病脳内の軸索が再伸長できる根拠と、本現象を担う責任タンパク質(SPARC, Galectin-1)を明らかにし、さらにこれを誘発できる薬物ジオスゲニンを初めて見出した。また、脳内での軸索再伸長が確かに記憶回復をもたらすことも明らかにした。これらは、脳内の軸索再伸長がアルツハイマー病をはじめとした神経変性疾患に対する新規治療戦略になりうることを示唆する知見である。
|