研究課題/領域番号 |
19K16291
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
高橋 光規 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任助教 (30788922)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ケージド化合物 / 線虫 / カルシウムイメージング / 光制御 / C. elegans / 神経活動制御 / 神経活動観察 / Ca2+イメージング / マイクロ流路 |
研究開始時の研究の概要 |
神経回路の活動が動物の行動を制御するメカニズムを明らかにするため、近年、光を用いて神経活動を制御する手法を活用した機能解析が盛んに行われている。本研究では、自由に動き回る線虫C. elegansに新規の光機能性化合物を適用し神経活動を制御しながら、Ca2+センサーGCaMPにより神経活動を同時記録することで神経活動と行動を関連付ける実験手法を開発する。さらに、この活動制御と記録をすべて光学的に行う手法を用いて、線虫の逃避行動を制御すると考えられている神経回路の機能解析を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では,神経活動と動物行動を対応づけるため,黄色光で使用可能な新規のケージドカプサイシンを用いて,線虫C. elegansの神経活動を光で制御するとともに,Ca2+センサーGCaMP6sを用いて神経活動を記録する方法の開発を目指した.感覚神経・運動神経・介在神経・筋肉の各種細胞に,カプサイシン受容体TRPV1とGCaMP6sを発現した線虫株を作製し,GCaMP6sの蛍光を観察しながら黄色光を照射した.光照射によってGCaMP6sの蛍光は上昇し,回避行動・産卵行動・筋収縮など,各細胞機能に対応した行動を引き起こすことができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,独自に開発した新規ケージド化合物を活用することによって,線虫の神経活動の人工操作と記録をすべて光学的に行い,線虫の神経活動と行動を対応づける手法を開発した.これは,神経回路の活動と行動を非侵襲的に直接結びつけることを可能とするもので,神経科学分野に新しい実験法を提供し,その発展に寄与できると期待される.また,神経回路機能の解析が光学顕微鏡下で容易に行えるため,本手法を活用することで神経伝達の障害から生じる神経・精神疾患,記憶学習障害などのメカニズム解明につながると考えられる.
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