研究課題/領域番号 |
19K16296
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
長沼 史登 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (80780519)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ニューロテンシン / 視床下部 / 睡眠覚醒 / 光遺伝学的手法 / ファイバーフォトメトリー / オプトジェネティクス / in vivo カルシウムイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
先行研究により、視床下部ニューロテンシン神経系の興奮は、マウスにおいて強力に覚醒を誘発すること、およびノンレム睡眠から覚醒への遷移を引き起こすことが明らかになった。さらに、ニューロテンシン神経は、睡眠覚醒に重要とされる様々な脳部位にその神経線維を投射していることが分かった。これらのことから、視床下部ニューロテンシン神経系は、各投射先睡眠覚醒関連ニューロンの活動を制御し、睡眠覚醒を調節している可能性が考えられた。そこで本研究では、in vivoカルシウムイメージングと、オプトジェネティクスの手法を導入し、睡眠覚醒下における視床下部ニューロテンシン神経の活動と、各投射先神経系との機能的連関性を検討する。
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研究成果の概要 |
視床下部外側ニューロテンシン神経細胞(Nts-LH)の有する覚醒調節機構についてオプトジェネティクスとファイバーフォトメトリーにより解析を行った。まず、Nts-LH特異的に光受容体を発現させ、光刺激を行うと、NREM睡眠からマウスは毎回覚醒したが、REM睡眠中では影響がなかった。次に、カルシウムセンサーをNts-LHに発現させ、脳波、筋電図を測定しながらカルシウムイメージングを行ったところ、Nts-LHは睡眠時と比較し、覚醒時に有意に興奮していることが明らかになった。以上のことから、Nts-LHは覚醒の維持に重要であることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Nts-LHが強力な覚醒作用を持つことは本研究により初めて明らかにされた。これに加え、Nts-LHは腹側被蓋核や結節乳頭核などの覚醒に重要なモノアミン神経系が神経核を有する脳部位に強く投射していることが明らかになっている。そのため、Nts-LHを中心とする覚醒調節機構の全容解明は、睡眠覚醒を司る神経基盤の理解に大きく貢献する可能性がある。将来的には睡眠障害の病態の理解や新規治療標的の開発につながることが期待される。
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