研究課題/領域番号 |
19K16298
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
阿部 欣史 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (80802826)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 薬物依存 / DBS / MRI / シナプス / 線条体 / 前頭葉 / 拡散MRI / VBM / 脳体積 / 光遺伝学 / D1-MSN / D2-MSN / 背側線条体 / 脳深部刺激療法 / ドパミン受容体 / 側坐核 |
研究開始時の研究の概要 |
脳深部刺激療法 (DBS)は精神・神経疾患治療に用いられるが作用機序はいまだに不明である。刺激部位を限定したとしても、刺激部位を通る全ての神経線維を興奮させてしまい、治療効果との因果関係が分からない。仮に神経線維を特定できたとしても、その神経線維の活動操作が脳全体にどのような効果をもたらすか分からない。本研究では、薬物依存に対するDBSにおいて、治療効果をもたらす神経線維を同定する。その特定神経線維の活動操作が全脳の神経回路を機能的・構造的にどのように変化させるのか明らかにする。特定神経線維活動操作には光遺伝学を用いる。機能的、構造的な解析には拡散MRIを用いる。
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研究成果の概要 |
薬物依存症において脳深部刺激療法(DBS)が有効であるが、その作用機序は未解明であった。その作用機序を脳構造変化の観点から解明する事を目指した。全脳探索的に脳構造変化を解析できるMRI技術を用いる事で、薬物依存マウスでは背側線条体、側坐核、前頭葉で脳体積の増加と脳微小構造が変化している事を発見した。また、これらの脳領域ではシナプス密度が増加している事が分かった。薬物依存マウスの線条体にDBSを行うと、線条体、側坐核、前頭葉で体積増加を抑える事が出来た。また、シナプス密度も減少していた。このことから、DBSの作用の一つとして、シナプス構造変化を介している事を発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DBS治療は刺激電極を脳内に刺す必要があるため、侵襲性が極めて高い。そこでDBSに代わる治療法が求められる。DBS治療の作用機序を知ることで、新たな治療法の提案につなげることがでできる。本研究から、薬物依存におけるDBS治療の作用領域が背側線条体、側坐核、前頭葉である事を発見した。今後の研究展開として、これらの脳領域に焦点を絞って、DBS治療の作用機序解明の研究を進める事できる。
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