研究課題/領域番号 |
19K16303
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
稲田 健吾 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (20823363)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | オキシトシン / 養育行動 / トランスシナプス標識法 / 電気生理学 / オキシトシン細胞 / 攻撃行動 / 視床下部 / 攻撃性 / 内分泌 |
研究開始時の研究の概要 |
動物は本能的に攻撃性を持つ。しかし攻撃行動は多くのエネルギーを消費し、自身が傷つく可能性や社会的制裁を受けるリスクを負うことにもなる。そのため動物は不要な攻撃衝動を抑制する機構も併せ持つと考えられている。近年光遺伝学に代表される、高い時間・空間分解能で神経活動を人為的に操作する手法が登場したことで、オスマウスをモデルに攻撃行動を促進する視床下部領域の細胞構成について理解が進んだ。しかし攻撃性を抑制する神経回路メカニズムについてはほとんど解明されていない。本研究では内分泌ホルモンであるオキシトシンが、攻撃行動の制御中枢を抑制することで攻撃衝動を抑止しているのではないかと仮説を立て検証を行う。
|
研究成果の概要 |
本研究は父親マウスの養育行動を生み出す神経回路基盤の解明を目的とした。本研究により雄マウスの養育行動発現におけるオキシトシン細胞の関与およびその重要性が明らかとなった。また雄マウスが父親になる過程でオキシトシン細胞が活性化しやすくなるような、神経回路変化が起きていることも解明できた。さらにこれまで養育行動の文脈ではあまり注目されてこなかった視床下部の外側視床下部興奮性細胞が、雄マウスの仔への攻撃性抑制に関与していることも明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では雄マウスが父親マウスになる過程で、脳領域レベルでの神経回路変化が生じていることを示した。これは人間社会で父親の育児参加が進む中で、父親の親性がどのように獲得されているのかを解明するための足掛かりとなる知見となる。本研究が完成してもなお養育行動発現には様々な疑問が残されているが、本研究で使用した一連の実験手法やロジック構成は、オキシトシン細胞群以外の細胞群にも適用可能であり、ライフステージの変化に伴う神経回路変化に関する後発研究へ着想を与えるものとなる。
|