研究課題/領域番号 |
19K16310
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大澤 宏祐 東北大学, 薬学研究科, 助教 (20774417)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 全合成 / 天然物 / ペプチド抗生物質 / N,O-アセタール / グアニジン含有特殊アミノ酸 / カルノサジンラクタム / 枝分かれペプチド / 天然物合成 / 抗生物質 |
研究開始時の研究の概要 |
枝分かれ状のペプチド抗生物質「スタロバシンI」は、メチシリン耐性菌に対しても強力な抗菌活性を示す新規作用機序を有する。本研究では、①N,O-アセタールを介したかさ高い特殊アミノ酸同士の連結、②高度に酸化されたグアニジン含有特殊アミノ酸の効率的合成、③特殊アミノ酸が連続するペプチド鎖の伸長、といった課題を解決し、世界初の全合成を達成する。また、独自に合成した特殊アミノ酸の立体異性体や構造類似化合物を用いて類縁体合成へ展開し、詳細な構造活性相関を解明する。
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研究成果の概要 |
2本のペプチド鎖がN,O-アセタールで架橋された前例のない枝分かれペプチドである抗菌活性スタロバシンIの全合成について検討した。オルトエチニル安息香酸に対する金触媒を用いたN,O-アセタール形成反応を見出すことで、シクロプロパンアミノ酸のアミド窒素と3-ヒドロキシバリンの側鎖水酸基との間における立体的に混んだ位置でのN,O-アセタール形成を初めて達成した。 また、アジリジン形成と続くマロン酸ジエチルのダブルアルキル化をワンポット反応を鍵として光学活性な多置換シクロプロパンを3工程で得る手法を見出し、スタロバシンIの構成因子である特殊アミノ酸カルノサジン類の短工程かつ拡散的合成に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中性条件下での触媒的N,O-アセタール形成反応を開発し、かさ高いアミノ酸の連結法を確立することができた。ジペプチド化合物にも適用できるため、枝分かれ構造をもつペプチド天然物やミメティクスへの展開も期待できる。また、立体選択的かつ短工程で供給されたカルノサジン類は、配座自由度が制限されたアルギニン等価体として、カチオン性ペプチド抗生物質の構造活性相関研究に必要なフラグメント供給に大きく貢献できる。
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