研究課題/領域番号 |
19K16314
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 北海道大学 (2021) 京都大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
森崎 一宏 北海道大学, 薬学研究院, 助教 (80822965)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | C-H官能基化 / 遠隔位不斉誘導 / 超分子 / 不斉非対称化 / 選択性制御 / 配座制御 / C-H結合官能基化 / 位置選択性 / 遠隔位識別 / トポロジカルキラリティー / 化学選択性 |
研究開始時の研究の概要 |
C-H結合の触媒的官能基化は、合成ステップの短縮・合成終盤での効率的誘導体化を可能にする重要な研究課題であるが、多くの有機化合物は反応性の類似したC-H結合を複数有するため選択性制御が本領域の課題である。本研究では、既存系では制御が困難であった直鎖脂肪族化合物のC-H官能基化において高度な選択性を実現する新規制御概念の提示を試みる。特に、水素結合による極性官能基の認識とファンデルワールス力を利用したアルキル鎖の積極的認識を鍵に選択性制御を実現し、医薬品合成において重要な合成素子の効率的合成・生物活性物質の合成終盤でのC-H官能基化による効率的誘導体化等により医薬への貢献を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、配座自由度の高い化合物のC-H官能基化において高度な選択性を実現する新規概念の提示を試みた。検討の結果、ビスイミド構造を有する新規ロジウム二核触媒の開発に至った。本触媒を用いることで、配座自由度の高い直鎖化合物のC-H官能基化による遠隔位不斉非対称化超分子ロタキサンの不斉非対称化反応にも成功した。これらはいずれも不斉合成において長年未解決の課題であった。機構解析の結果、①本触媒は活性中心周りに深いキラルなポケットを形成しておりこのポケットに基質が誘導されることで配座が規定されること、②本錯体の芳香環C-H結合との水素結合で分子認識が行われていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有機反応において反応性の制御は最も重要な課題である。一般に、反応性の制御は反応点近傍の環境を識別して行われる。一方で、反応点から離れた位置の差異を識別し反応を制御することは最も困難な課題として残っている。今回の研究で我々は、反応点から6結合以上遠隔位の識別や、共有結合で繋がってすらいない超分子の不斉認識に成功した。適用可能な反応や基質に制限はあるものの、世界に先駆け遠隔位認識による反応性の制御(不斉識別)を達成できた。
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