研究課題/領域番号 |
19K16315
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
道上 健一 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (20838742)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | アミド / ペプチド / ジボリルアルカン / 有機触媒 / 脱水縮合 / gem-ジボリルアルカン / カルボン酸 / アミド化 / 縮合 / 脱プロトン化 / 新規触媒 / ホウ素触媒 / gem-ジボロン酸 / C-H結合ホウ素化 / 触媒的ペプチド縮合 / 触媒的グリコシル化 / カルボキシ基の多点活性化 |
研究開始時の研究の概要 |
ペプチドや糖鎖を含む複雑分子を大量の活性化剤を用いず供給する手法を確立するべく、有機ホウ素触媒による環境負荷の小さいアミド縮合反応に着目した。既存の有機ホウ素試薬が内包する触媒活性の限界を見据え、それらを遥かに凌駕する高活性触媒の創製を目指す。 触媒的アミド縮合の想定中間体の構造を基に触媒を精密設計し、カルボキシ基および類似官能基の多点活性化を基軸とした触媒的変換法を確立する。さらに、上記手法を活用しペプチドや糖鎖の実践的合成へと展開する。
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研究成果の概要 |
アミドやペプチドの効率的合成は生物化学や医薬品産業からの需要が高く、有機ホウ素化合物は水のみを廃棄物としてアミド縮合を促進するクリーンな触媒として注目を集めている。筆者は二つのボロン酸部位を同一炭素上に有する「gem-ジボロン酸」が、従来の芳香族ボロン酸触媒では困難であったアミノ酸同士、およびペプチド同士の脱水縮合を実現することを見出した。本触媒系は優れた官能基許容性を示すことから、より複雑なポリペプチド合成への応用が期待される。また、触媒の構造修飾や機能性付与に必要なgem-ジボリルアルカンの官能基化に関して、従来法の課題を克服する炭素-ホウ素結合を保持した触媒的分子変換を実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
芳香族ボロン酸は水のみを排出しつつアミド縮合を触媒するため、化学量論量の試薬が不要かつクリーンな有機触媒として大きな注目を集めてきた。しかし、芳香族ボロン酸はアミノ酸同士の縮合に対する触媒活性が著しく低い。筆者はgem-ジボロン酸がアミノ酸やペプチドフラグメントを触媒的にカップリングできることを報告した。本触媒は構造修飾の余地を残しているため、さらなる高活性触媒の創出により実用的なペプチド合成触媒となり得る。その実現に必要なgem-ジボロン類の官能基化に向け、既存法では困難な構造変換可能にする新規gem-ジボロン酸誘導体を見出しており、高活性ペプチド縮合触媒の創出に向けて引き続き検討を進める。
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