研究課題/領域番号 |
19K16321
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
花屋 賢悟 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 講師 (50637262)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | ペプチド / タンパク質 / 化学修飾 / クロスカップリング / ボロン酸 / 銅 / ニッケル / トリプトファン / ラジカル反応 / 遷移金属 / チオエーテル / アミノ酸 / 金属イオン |
研究開始時の研究の概要 |
抗体医薬に代表されるバイオ医薬品に新たな機能、効能を付与するために、人工の有機化合物を結合した機能性バイオ医薬品の開発研究が盛んである。その際、バイオ医薬品に結合する有機化合物の位置および数を厳密に制御しなければならない。本研究では、バイオ医薬品が機能を損なわない条件下(室温~50℃、pH 5~9程度の水溶液)、化合物を狙った位置に決まった数結合できるような有機反応を開発し、本反応をタンパク質の化学修飾に応用する計画である。具体的には、入手容易なボロン酸(構造式:R-B(OH)2)と金属イオンを用いるクロスカップリング反応を基盤とした化学修飾法を主に検討する。
|
研究成果の概要 |
ペプチドやタンパク質は約20種類のアミノ酸が連結してできたポリマーである。本研究では、銅イオンを利用したクロスカップリング反応でチロシン残基に人工分子を結合する手法(化学修飾法)を開発した。しかし反応条件は過酷でタンパク質中のチロシン残基の化学修飾には応用できなかった。 上記研究と並行して、申請者が以前報告したシステインの化学修飾法を基にニッケルイオンを用いて炭素-硫黄結合を形成する有機合成反応を開発した。弱塩基性、空気中、室温という温和な条件で種々のスルフィドが合成できた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ペプチドやタンパク質は多数のアミノ酸が連結してできたポリマーである。同じアミノ酸が複数含まれるだけでなく、似た性質のアミノ酸も存在するため、特定の箇所にのみ人工分子を結合させること(化学修飾)は難しい。化学修飾は、化学や生物の基礎研究だけでなく、創薬など産業的にも広く利用されている。これまで、システインが化学修飾に利用されてきたが、システインを含有しない場合、他のアミノ酸を化学修飾する必要がある。本研究成果は反応条件の改善が必要ではあるものの、チロシンを化学修飾する手法として有望である。
|