研究課題/領域番号 |
19K16322
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 (2021) 慶應義塾大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
安田 大輔 大阪医科薬科大学, 薬学部, 助教 (40736097)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Nrf2 / p62 / 抗がん剤耐性 / Keap1 / 抗がん剤耐性増強効果 / Nrf2活性化剤 / p62/Sqstm1 / 肺癌 / A549 / PPI阻害剤 / 抗癌剤耐性 / 肝細胞癌 / ソラフェニブ / レンバチニブ / 耐性克服剤 |
研究開始時の研究の概要 |
抗癌剤耐性は、治療上および医療経済上において早急に解決すべき問題である。 ある種の癌では、生体防御機構であるKeap1-Nrf2系を利用して抗癌剤耐性を獲得する場合があり、特にp62を介した生体防御因子Nrf2の活性化が注目されている。 研究代表者らはp62を標的とした薬剤耐性克服剤の探索を行い、p62の高発現した肝細胞癌において抗癌剤ソラフェニブへの耐性を克服するユニークな化合物K67を見出した。 本研究ではK67の構造最適化により更に強力な耐性克服剤を創製し、それを用いて肝細胞癌の耐性獲得機構を解析する。加えて、正常細胞との共培養系を構築して癌への選択毒性を評価する。
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研究成果の概要 |
Nrf2は生体防御に重要な一方で、ある種の癌細胞においてはその薬剤耐性に関与することが知られている。本研究ではp62過剰発現によりNrf2の異常活性化した癌細胞において抗がん剤感受性増強作用を示す化合物をデザイン・合成し、その作用を評価した。スクリーニングにより得られた化合物K67の構造を改変した誘導体を合成し活性評価を行なったところ、肝細胞癌・肺癌それぞれの細胞種において有効な抗がん剤活性増強作用を示す2化合物を見出した。また、そのうち1化合物はp62の過剰発現していない細胞においてはNrf2活性化作用を示し、癌細胞において特異的に抗がん剤耐性を増強するユニークな化合物であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗がん剤耐性の出現は治療上・社会上の重大な問題である。本研究ではNrf2の異常活性化により既存の抗がん剤への耐性を獲得した癌細胞株に対して、それ自身は細胞生存率に影響せず、抗がん剤への感受性を増強させるユニークな創薬シーズを見出した。この成果は、Nrf2抑制剤が新規な癌治療戦略として有望であることを示すとともに、悪性度の高い癌細胞を低コストな既存の抗がん剤を主体とした処理で対処可能にするという画期的な成果である。
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