研究課題/領域番号 |
19K16332
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
磯田 紀之 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (90782128)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | モノフルオロアルケン / 収束的合成 / 有機トリフルオロボレート / 亜鉛 / ホウ素-亜鉛交換反応 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、有機トリフルオロボレート(BF3K)塩のホウ素-亜鉛交換反応を鍵とした、モノフルオロアルケン類の収束的な合成法の開発を目指す。モノフルオロアルケンは、代謝安定なアミド等価体として注目されている。その合成法の開発は盛んに行われているが、いすずれも直線的合成であり、総収率の低下が問題となる。本研究では、二つの変換可能な部位を有するボリル(フルオロ)(トシルオキシ)エチレンをビルディングブロックとして用いる、モノフルオロアルケンの収束的合成法を開発する。この際、取り扱い容易な亜鉛試薬によるBF3K部位の活性化を活用し、多彩なフルオロアルケン類の簡便合成を実現する。
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研究実績の概要 |
アミド結合の代謝安定な等価体として知られる、モノフルオロアルケンの新たな合成法として、独自に開発した二つの変換可能な部位としてトリフルオロボレートカリウム(BF3K)塩とトシルオキシ基を有するボリル(フルオロ)(トシルオキシ)エチレンをビルディングブロックとして用いた収束的モノフルオロアルケン合成に着目し研究を行なった。 本ビルディングブロックのホウ素部位の変換は、通常の鈴木カップリング反応条件では、脱ホウ素プロトン化が進行し、目的物はほとんど得られないことが課題であった。これに対し、BF3K塩のホウ素-亜鉛交換反応を鍵とする変換反応を検討したところ、取り扱い容易な亜鉛トリフラートを用いることで、目的のカップリング反応が進行し、良好な収率でモノフルオロ(トシルオキシ)エチレンが得られることを見出している。本反応の再現性の向上と、亜鉛試薬の触媒化を目指し、有機亜鉛錯体の事前調整を行い反応条件の最適化を進めた。結果として、最適な有機亜鉛試薬の事前調整法を確立し、有機亜鉛試薬の化学量論量以下での利用が可能であることも見いだした。残念ながら、想定しているホウ素-亜鉛交換反応が進行しているは明らかに出来なかったが、この手法が本ビルディングブロックだけでなく、脱ホウ素プロトン化を起こし易い様々なアリールBF3K化合物においても適応可能であったことから、本手法の実用性という観点からは成果が得られたと考えられる。 また、BF3K塩の変換により得られたモノフルオロ(トシルオキシ)エチレンのトシルオキシ基の変換を行なったところ、種々のモノフルオロアルケンの合成に成功した。この結果から、本ビルディングブロックのモノフルオロアルケン合成における有用性を示すことが出来たと考えられる。
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