研究課題/領域番号 |
19K16334
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
植田 圭祐 千葉大学, 大学院薬学研究院, 助教 (40755972)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 非晶質固体分散体 / 過飽和 / 液-液相分離 / 薬物ナノ粒子 / NMR / 経口吸収改善 / 固体分散体 / 非晶質 / 液-液相分離 / 分子間相互作用 / 非晶質溶解度 / 固体NMR / 溶出試験 / 相分離 / ナノ粒子 / 液液相分離 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では固体NMR測定を中心とした分子レベルでの物性評価から固体分散体中の薬物及びポリマーの分子間相互作用及び混和性を詳細に評価し、固体分散体中の薬物及びポリマーの分子状態が溶解時の薬物過飽和溶解挙動及び薬物濃縮相形成能に及ぼす影響を明らかとする。また、分子レベルでの物性評価により薬物濃縮相安定化メカニズムの解明を試みる。明らかとなった薬物濃縮相形成及び安定化メカニズムに基づき薬物濃縮相形成型固体分散体製剤設計を行う。本新規製剤開発により、非晶質固体分散体の利点を最大限に引き出した製剤開発が可能となり、従来の固体分散体製剤では十分な薬効が得られない超難水溶性薬物の経口製剤化に寄与する。
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研究成果の概要 |
過飽和製剤に用いられる各種製剤添加剤が薬物の液-液相分離(LLPS)に及ぼす影響を評価した結果、HPMC-ASを用いることでLLPSによって形成される薬物濃縮相がナノサイズで安定化されることが示された。HPMC-ASは過飽和溶液中で形成された薬物濃縮相に分配し、薬物結晶化及び粒子凝集を抑制することが、溶液NMRによる評価から明らかとなった。一方、薬物濃縮相への過剰なポリマー分配は薬物の非晶質溶解度を低下させ、過飽和製剤による吸収改善能を低下させることが示唆された。本研究より、薬物吸収改善を目的とした固体分散体製剤設計には、分子レベルでの物性評価による製剤添加剤選択が重要であると結論付けた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究より、薬物濃縮相の安定性や薬物の最大過飽和溶解度を考慮した製剤添加剤選択が、過飽和製剤の開発には必要不可欠であることが示された。特に一部の製剤添加剤ポリマーは、薬物の非晶質溶解度を大きく低下させ、過飽和製剤による経口吸収改善能を低下させるリスクがあることが示された。本研究より見いだされた知見から、非晶質固体分散体による吸収改善能を最大限に引き出した製剤開発が可能となり、従来の固体分散体製剤では十分な薬効が得られない超難水溶性薬物の経口製剤化に寄与すると考えられる。加えて本研究が指針となり、各種NMR応用測定を用いた分子レベルでの物性評価に基づく製剤設計が可能となることが期待される。
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