研究課題/領域番号 |
19K16335
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鳥巣 哲生 大阪大学, 工学研究科, 助教 (10730492)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 気液界面 / タンパク質 / 構造解析 / 質量分析 / 医薬品 / 界面 |
研究開始時の研究の概要 |
溶液のバイオ医薬製剤では、タンパク質溶液と気体または固体との界面においてタンパク質の立体構造が変化し、タンパク質の凝集が引き起こされる。タンパク質凝集体は重篤な副作用につながる可能性がある。そのため、タンパク質の界面変性と凝集を防ぐ必要があるが、界面でのタンパク質の立体構造変化に関する詳細な研究がないため、それらを抑制する方法は限定的である。そこで本研究では、より安定で安全なバイオ医薬品の創製に向けて、界面におけるタンパク質の立体構造変化の詳細を明らかにする。具体的には、タンパク質泡気液界面評価系の確立および水素/重水素交換質量分析を用いた立体構造変化の解析を行う。
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研究成果の概要 |
バイオ医薬品開発における課題の一つであるタンパク質の界面変性について、タンパク質溶液の泡化と水素/重水素交換質量分析(HDX-MS)を組み合わせた新規分析法を確立し、詳細な(ペプチド(アミノ酸数残基)レベルの高い分解能での)解析を行った。ヒト血清アルブミンを用いて測定を実施したところ、気液界面への吸着によって、ヒト血清アルブミンの疎水性の高い領域が露出することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
バイオ医薬品は有効性が高く、広く用いられていますが、タンパク質の凝集などバイオ医薬品特有の問題も存在している。タンパク質の界面変性はタンパク質凝集を引き起こす要因の一つとしてしられているが、界面上のタンパク質を解析方法が限られていたことから、これまで詳細な界面変性に関する構造解析は行われていなかった。本研究では、新規分析法を確立し、タンパク質の界面変性をペプチドレベルの分解能で明らかにした。この結果および確立した方法は、より安全なバイオ医薬品の開発に繋がると考えられる。
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