研究課題/領域番号 |
19K16336
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
福田 達也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 助教 (90805160)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | リポソーム / 脳梗塞 / 血液脳関門 / 白血球 / 脂質膜間移行 / バイオミメティック / 膜タンパク質 / がん / 脂質膜間移行法 / 炎症血管 / 脳血管内皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、白血球のように脳梗塞部位の血液脳関門(BBB)へ接着後、BBBを能動的に突破し、脳実質へ透過する白血球模倣ナノ粒子(Leukocyte-Mimetic NanoParticle; LM-NP)の開発を目指す。さらに、開発したLM-NPへBBB標的化素子を修飾することで、脳梗塞部位BBBへの高い標的性と突破能を有する革新的な脳梗塞治療用ナノ粒子を開発する。
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研究成果の概要 |
リポソーム等を用いた薬物送達は、がんや脳梗塞の治療に有効だが、患部への移行には制限があり、血管内皮層などの障壁を能動的に突破可能な技術が求められる。本研究では、膜タンパク質機能により腫瘍血管や脳梗塞部位の血液脳関門(BBB)を突破する白血球に着目し、白血球模倣リポソーム(LM-Lipo)を構築し、その機能性を評価した。LM-Lipoは、炎症性ヒト脳血管内皮細胞及びがん細胞に対して高い親和性を示した。また、がんスフェロイドに対する浸透性と担がんマウス腫瘍への高い集積性を示し、がん治療を目的としたDDSキャリアとしてのLM-Lipoの有用性と、炎症性BBBの標的化ツールとしての可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義として、本研究のさらなる発展は、ナノ粒子を用いたがん組織・脳梗塞部位への薬物送達における生体内の障壁、特に中枢創薬の最大の障壁であるBBBを克服し、新たなDDSの開発につながり得るとともに、生体機能を模倣したDDSの開発に向けた知見を提供できる点が挙げられる。また社会的意義として、脳梗塞やがんに対する新たな治療薬の開発に貢献でき、患者QOLの向上と、超高齢社会で問題とされる要介護人口の減少と医療経済の改善につながることが期待される。
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