研究課題/領域番号 |
19K16337
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
渕上 由貴 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 客員研究員 (60736403)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ドラッグデリバリーシステム / 標的指向化 / リポソーム / がん / 多色深部イメージング / 標的指向化リポソーム / 環状ペプチド / インテグリンαvβ3 |
研究開始時の研究の概要 |
次世代のがん治療において、医療実用可能な標的指向化リポソームを実現するには、標的指向化リポソームの有効性とともに品質・製剤法も考慮して開発を進める必要がある。そこで、本研究では、精密分子設計に基づいて代謝安定性・標的性を高めた環状ペプチドによるインテグリンαvβ3標的高機能・高品質 (HFQ脂質) を構築し、インテグリンαvβ3標的HFQ脂質修飾リポソームへと製剤化を行い、in vivoでの有効性を実証する。研究期間内において、最適な合成法、高い再現性で高品質を可能にするリポソーム製剤法の構築を行い、真に有効ながん治療薬剤の開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、がん治療への医療実現化を目指した環状RGDペプチド修飾PEGリポソーム製剤の開発である。本目的を達成するため、クリック反応を利用して環状ペプチドを結合することができる新規アダプターペプチド脂質の設計と合成を行った。ここでは、がん標的指向化が可能な環状RGDペプチドを取り上げ、環状RGDペプチド修飾脂質を設計・合成し、環状RGDペプチド修飾リポソームを開発した。次に、環状RGDペプチド修飾リポソームの機能評価を行い、マウス大腸癌細胞株colon26に対して、高い細胞結合性を有していることを確認した。また、抗がん剤、ドキソルビシン封入製剤が高い抗腫瘍効果を有することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環状ペプチドは直鎖ペプチドに比べて、生体での安定性が高く、実用性がある。一方で、リポソームの認識として用いる際には、脂質の先端に結合させるのが難しい。本研究では、脂質の末端にアルキル基を導入した新規アダプター脂質を設計・合成することに成功した。一方で、クリック反応の反応点であるアジド基を環状ペプチドの末端に導入した。本システムは、環状ペプチドの末端にアジド基を結合させることで、様々な環状ペプチド修飾脂質誘導体の合成を可能にする汎用性の高い方法である。本システムの確立により、様々な環状ペプチドを認識素子とした様々なリポソームや脂質ナノ粒子が可能になるものと考えられる。
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