研究課題/領域番号 |
19K16338
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
中山 辰史 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (50433206)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | ラジカル付加反応 / プロトン電子共役移動反応 / 含硫タンパク質 / π共役軌道 / タンパク質立体構造 / スーパーオキサイド / ヒドロペルオキシラジカル / サイクリックボルタンメトリー / 電気化学 / 酸化 / 非プロトン性溶媒 / タンパク質凝集 / アルキルアンモニウム塩 / 排除体積効果 / タンパク質 / 酸化還元 / 凝集 / アミロイド化 |
研究開始時の研究の概要 |
『タンパク質の老化』を防ぐことが様々な老齢性脳疾患の治療薬開発に繋がるという信念 の元、タンパク質の凝集・アミロイド化を誘導する酸化反応がどのように進行するのか? タンパク質のどの部分を酸化するのか? を明らかにしたいと考え、その中でも特に活性酸素種(Superoxide Anion Radical:SAR)と『タンパク立体構造を維持する分子内結合』の間の酸化的電子移動について分子論的に明らかとしたい。本研究では、電気化学測定、酸化生成物の構造解析を通じ、脳タンパク質老化(酸化)と老齢性脳疾患の原因である神経回路破綻の関連を解明する一助となることを目標としている。
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研究成果の概要 |
非水電気化学測定・量子化学計算を中心に、酸素より電気化学生成したスーパーオキサイドとタンパク質間の酸化反応挙動を観測した。電気化学測定で得られた電流電圧曲線を分析すると、タンパク質表面の酸化だけでなく、立体構造内部の複雑性や水和の状態が、反応電流値に大きく影響する様子が観測された。 その結果の中で、含硫タンパク質が特徴的なESRスペクトルを示す様子が観測され、硫黄元素とスーパーオキサイドのラジカル付加反応、プロトンと電子の共役移動反応(proton-coupled electron transfer)が、タンパク質の立体構造破綻の要因である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
当研究では、活性酸素種によるタンパク質の酸化が、タンパク質の凝集やアミロイド化に繋がるとの推論から、どのような化学反応メカニズムで起こりうるのか、その真理を探ることで、タンパク質の酸化理論の確立に貢献したい。これにより、タンパク質の新たな解析手法の開発、アルツハイマー症候群やパーキンソン病等の老齢性脳神経障害の治療薬開発などに寄与する情報を得られることから、学術的意義だけでなく、医療・薬学分野での応用に関連した社会的意義を有する。
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