研究課題/領域番号 |
19K16343
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
古賀 鈴依子 福岡大学, 薬学部, 助教 (20804545)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | キラルアミノ酸 / 多次元HPLC / 代謝関連アミノ酸 / 分析化学 / 光学分割 / アミノ酸 / 多次元HPLC分析 |
研究開始時の研究の概要 |
精神・神経疾患は早期治療により大幅な症状改善が見込まれる一方、バイオマーカーの欠如により早期診断は極めて困難とされている。近年、精神・神経疾患へのD-アミノ酸酸化酵素(DAO)の関与が報告され、DAO活性評価による客観的診断法の開発が期待されている。特に、食事や生活環境など外的要因による含量変化が少ない非タンパク質構成代謝関連アミノ酸は鋭敏な活性評価指標として利用できる可能性が高い。 本研究では、非タンパク質構成代謝関連アミノ酸の高選択的キラル分析を可能とする多次元HPLC分析法を開発し、疾患モデル動物及びヒト臨床検体を用いた尿中・血中含量解析により、精神・神経疾患の新規診断指標の探索を行う。
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研究成果の概要 |
精神・神経疾患の早期診断を可能とする客観的診断指標を探索するため、代謝関連アミノ酸のキラル識別定量を可能とする分析法を新たに開発した。本研究で構築した分析法は、複数の異なる分離系を組み合わせることにより従来法の課題であった選択性の不足を解消し、生体試料中の微量代謝関連D-アミノ酸の精確な定量を達成した。臨床試料分析への適用により生体内に様々な代謝関連D-アミノ酸が存在することを示し、精神・神経疾患の病態への関与が報告されているD-アミノ酸酸化酵素(DAO)の活性変化に伴い一部のアミノ酸について血漿および尿試料中の%D値が有意に変化することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
精神・神経疾患の多くは早期の診断と適切な治療の開始により症状の大幅な軽減が可能であるため、早期および客観的診断を可能とする指標の発見は人々のQOL向上につながる。統合失調症などの病態へのD-アミノ酸酸化酵素(DAO)の関与が報告され、その活性変化を反映し得る指標として代謝関連D-アミノ酸が注目を集めているが、分析法の欠如により研究が停滞していた。本研究の遂行により、種々の代謝関連アミノ酸のキラル識別分析が達成され、生体内におけるD体の存在が明らかとなった。また、一部のD-アミノ酸についてはDAOの活性変化に伴う有意な変化が認められ、今後疾患の診断指標としての利用に向けた更なる研究が期待される。
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