研究課題
若手研究
カドミウムは現在も環境を汚染している重金属であり,血管病変発症・進展の危険因子である。血管病変の発症には血管内腔を一層で覆っている内皮細胞の機能障害が重要である。一方,食品中には亜鉛,鉛,マンガンなど重金属が共存している。カドミウムによる血管病変発症・進展をより現実的に理解するために,重金属相互作用による毒性の修飾とその機構解明は重要課題であるが,その詳細については十分に明らかになっていない。本研究の目的は,血管内皮細胞に対する細胞毒性を指標として,カドミウムと他の重金属との相互作用様式を確定するとともに,その相互作用を担う責任分子と機構を解明することである。
カドミウムは現在も環境および食品を汚染している重金属であり,血管病変発症・進展の危険因子でもある。血管病変の発症には,血管内腔を一層で覆っている内皮細胞の機能障害が関与する。本研究では,カドミウムによる内皮細胞毒性を修飾する他の重金属との相互作用とその様式を解析して,(1)亜鉛およびマンガンによるカドミウムの内皮細胞毒性の防御およびその機構,(2)鉛によるカドミウムの内皮細胞毒性の増強およびその機構,(3)亜ヒ酸によるカドミウムの内皮細胞毒性の増強を明らかにした。
カドミウムは,様々な疫学的研究により血管病変進展の危険因子であることが明らかになっており,培養細胞レベルだけでなく個体レベルにおいてもそれを裏付ける分子基盤の解明は進んでいる。一方,我々は,日常的に様々な食品を摂取しており,それらの食品中には,多くの重金属が含まれている。食品中成分による重金属との相互作用に関する様々な報告は存在しているが,重金属同士の相互作用に関する報告は少ない。カドミウムとこれら重金属の相互作用の有無を明らかにすることは,他の食品成分との相互作用と同等以上に重要であり,血管病変進展におけるカドミウムのリスクをより現実的に理解することに貢献する。
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