研究課題/領域番号 |
19K16362
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
谷口 将済 摂南大学, 薬学部, 助教 (50710696)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / アミロイドβ / 金属イオン / アミロイド-β / /銅イオン / 銅イオン / 神経細胞死 / 二次構造変化 / 凝集 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、アミロイド-β(Aβ)が神経細胞毒性の強いオリゴマーを形成することが注目されている。また、アルツハイマー病(Alzheimer disease, AD)の発症に脳内の金属イオンが関与すると考えられてきたが、Aβのオリゴマー化や繊維形成への影響を適切に評価できる実験系は構築されておらず、相関関係は未だ不明である。これまでに、金属イオンの共存により特異的に凝集するAβ1-29を見出した。本研究では、Aβ1-29を用いてAβの神経細胞毒性発現機構を明らかにすることを目的とする。本研究の遂行によりAD発症における脳内金属イオンの役割の理解が進み、ADの治療や予防に貢献できるものと期待される。
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研究成果の概要 |
アミロイドβ(Aβ)の蓄積と凝集は、アルツハイマー病の病態形成における重要な要因である。我々は、アミロイドペプチドであるAβ1-29がCu2+存在下で立体構造を変化させ、神経細胞毒性を示すことを以前に明らかにした。今回、我々はAβ1-29がCu2+と結合するのに重要なHis残基をAla残基に改変したペプチドを用いてCDスペクトル分析を行ったところ、神経細胞に対して毒性を示すアミロイドペプチドに共通な二次構造が存在することがわかった。さらに、糖尿病の発症に関連するヒト膵島アミロイドポリペプチド (Amylin)も同様の二次構造を取ることで神経細胞毒性を発揮している可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Aβと金属イオンに関する研究は全世界で精力的に行われているが、in vitro研究におけるAβの実験的な取扱いが困難なために、保存状態や実験条件・方法がわずかに異なることによる影響が大きく、Cu2+がAβの繊維形成を促進するという報告と、Aβの繊維形成を抑制するという報告が多数混在しており、Aβの凝集過程における金属イオンの具体的な役割については未だ理解されていない。本研究結果は、アミロイドペプチドが神経細胞細胞毒性を示すために一定の構造を取ることが必要であることを示すものであり、アルツハイマー病の発症原因の解明に資することが期待される。
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