研究課題/領域番号 |
19K16363
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究 |
研究代表者 |
田中 智弘 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 新分野創成センター, 特任助教 (00812760)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ミトコンドリア / 筋萎縮性側索硬化症 |
研究開始時の研究の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)に共通して認められるミトコンドリアの動態異常に着目し、その原因となるタンパク間の相互作用を網羅的に探索する。相互作用を抑制するペプチド阻害薬の開発によって、汎用性が高く、かつ副作用の少ない薬学的アプローチを提案する。
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研究成果の概要 |
ミトコンドリアの断片化は家族性・孤発性の筋萎縮性側索硬化症(ALS)に共通して認められる病態であるため、より多くの患者の治療を可能にする普遍的な標的として注目されている。本研究課題では1)ALSのミトコンドリアの断片化に寄与するタンパク質間相互作用の同定 2)その相互作用を抑制する薬剤の同定を目指した。 本研究によって、ALSモデルマウスの脊髄ではDrp1とFilamin Aの相互作用が促進していることが明らかとなった。また、Drp1- Filamin A相互作用を抑制する化合物シルニジピンを発症後に連続投与したところ、ALSモデルマウスの生存期間が有意に延長された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ALSに対する有効な治療法は未だ開発されていない。ミトコンドリアの断片化を担うタンパク質Drp1はALS患者に共通する治療標的として有力視されてきたが、Drp1自身の活性を阻害する薬はミトコンドリアの生理的な分裂をも阻害してしまうため、長期にわたる病理進行への適応は難しいという背景があった。 本研究ではALS病態への選択性をもち、かつ家族性から孤発性患者まで広く適用できる治療標的の可能性を示した点、またそれが既承認薬で実現されうる可能性を示した点において、適応拡大などの社会的意義をもつ。
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