研究課題/領域番号 |
19K16364
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
|
研究機関 | 科学警察研究所 |
研究代表者 |
山口 晃巨 科学警察研究所, 法科学第三部, 研究員 (50822087)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 神経剤 / LC-MS / ノビチョク / 誘導体化 / DMTMM / リン酸 / DABCO / 加水分解物 / RMPA / LC/MS / 縮合剤 / 活性エステル / 生体試料 / LC-MS/MS / 未知物質の構造推定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、神経剤加水分解生成物をより温和な条件で誘導体化し、さらに分析対象の疎水性やイオン化効率を向上させるトリアジン型のベンジル化剤等を用いる新規誘導体化反応の開発と、その手法を利用したLC-MS/MSによる神経剤分解物の高感度検知・同定手法の確立を目的とする。
|
研究成果の概要 |
神経剤の生体試料からの使用証明のための分析法は不十分であり、特に新たな神経剤であるノビチョク類の分析法は未報告だった。研究代表者は、縮合剤DMTMMとLC-MS/MSを活用し、ノビチョクA剤の分解物と従来の神経剤分解物RMPA類の分析法を開発した。この方法では、DMTMMを活用してノビチョクA剤の分解物を安定なエステルに変換し、LC-MS/MSで検出することができる。これを利用し、尿中のノビチョク分解物の分析法も実現した。RMPAの検出限界は従来の方法と同等だが、ノビチョク分解物の高感度な分析はこれまで非常に困難だった。本法は低コストかつ汎用機器を用いており、多くの研究室でも容易に実施できる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究代表者は新たな神経剤ノビチョクA剤の加水分解物の初めての分析法を開発しました。この分析法は、従来の神経剤分解物に対しても、従来法と同等または優れた性能を示します。本法に必要な設備は、一般的なLC-MS装置と安価な市販試薬のみであるため、リソースに限りのある研究室でも実施可能です。 本法を用いることで、生体試料に対しても高感度な分析が可能であり、このことは化学テロに対する迅速かつ正確な対応に資することを意味します。ノビチョクを含む神経剤は極めて危険な化学兵器であるため、その対応力を増強する本法の開発は公共の安全と国際的な安全保障の観点から重要です。
|