研究課題/領域番号 |
19K16365
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
孫 雨晨 国立医薬品食品衛生研究所, 医薬安全科学部, 研究員 (60818904)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | エキソソーム / リピドミクス / 薬物性肝障害 / バイオマーカー / 薬剤性肝障害 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、医薬品の重篤な副作用の一つである薬剤性肝障害を予測し、その発生を未然に防ぐことを目標とし、本副作用の早期検出を可能とする新規バイオマーカー分子の同定・検証を目的とする。探索ソースとしては、近年低侵襲的な診断法開発で注目されている血中ナノ小胞である「エキソソーム」に含有される脂質に着目し、最先端の脂質分析技術を用い、肝障害動物・培養細胞モデル・並びにヒト検体を利用した多角的な探索研究を行う。また、本研究では同定されたエキソソーム脂質バイオマーカー分子の産生機序並びに肝臓構成細胞間のコミュニケーションにおけるその重要性の解明に関する基盤研究も実施する。
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研究成果の概要 |
本研究では、薬物性肝障害を対象に、その早期の発見を可能とする新規バイオマーカー分子の同定を目的として、肝障害モデル動物の血漿エキソソームを用いたホスホリピドミクス解析を実施した。解析の結果、血漿エキソソーム中においてリゾホスファチジルコリン分子種を含む複数の脂質が肝障害の発生に伴い、その存在量が有意に減少することを見出した。また、これら脂質分子は肝障害の検出において、高い診断能を有することを明らかとした。さらに、同定されたバイオマーカー候補脂質分子は既存肝障害マーカーであるALTの上昇が認められないような早期の肝障害においても有意な変動並びに診断能を有することを明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は肝障害の発生時に分泌されるエキソソームのリピドームを網羅的に解析することにより、その早期発見に有用なExo-lipidsバイオマーカー分子を複数種同定することができた。本研究で同定されたバイオマーカー分子は新規医薬品の非臨床安全性試験等における肝障害の発生の検出に利用できると考えられる。加えて、本研究ではリキッドバイオプシー分野で特に注目されているエキソソームとDILIとの関連をリピドームという切り口で解析した世界初の研究であり、本研究成果により今後肝障害時におけるエキソソーム脂質の病態生理学的意義の解明につながることが期待される。
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