研究課題/領域番号 |
19K16366
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
林 克彦 国立医薬品食品衛生研究所, 衛生微生物部, 研究員 (60804739)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | マイコプラズマ / メタボローム解析 / 細菌学 / 微生物迅速法 / 細胞培養管理 |
研究開始時の研究の概要 |
マイコプラズマ属菌は細胞培養において持続的に細胞に寄生して培地を汚染する。細胞基材を用いた医薬品製造過程では安全性担保のためマイコプラズマ否定試験を求められるが、検出にかかる時間の長さ、必要とされる細胞量の多さから、特に培養期間が長い細胞培養ではリスク管理が困難である。本研究では、マイコプラズマの存在/非存在下での細胞培養培地成分と上方の臭気成分を質量分析器でメタボローム解析して、特徴的な代謝産物から寄生的で持続的な汚染に関わる生理的因子と関連遺伝子を探索する。この研究を通じて簡便・迅速・非侵襲的に検出できる微生物迅速法の開発を目指し、細胞培養における工程管理の省力と最適化を達成したい。
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研究成果の概要 |
本研究では、細菌の一種マイコプラズマによる医薬品製造細胞の汚染を検出するため、質量分析機を用いたメタボローム解析を行い、また、この解析を通じて、マイコプラズマ汚染に関するメカニズムの解明を目指した。 抗体医薬品の製造に用いられるCHO-DG44細胞に、マイコプラズマを接種すると、細胞の生存率及び増殖性に影響せずにマイコプラズマが増殖した。医薬品の品質管理で求められる検出基準未満の菌量であっても、細胞培養後には超過する菌数に増殖した。質量分析機LC-MS/MSによって感染細胞及び細胞以外の培地成分を解析し、マイコプラズマ汚染に特異的な脂質分子を検出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医薬品の製造細胞が、マイコプラズマに汚染されると、医薬品の品質に問題が生じる可能性がある。マイコプラズマ汚染の検出には、多量の細胞が必要であり、細胞を使用しない検出法が求められている。 本研究の成果によって、わずかなマイコプラズマ汚染であっても、細胞培養後には影響のある菌量へと増殖すること、また、細胞培養の培地からマイコプラズマ汚染に特異的な脂質分子が検出されたことから、細胞を使用せずにマイコプラズマ汚染を検出する方法として利用できる可能性が示唆された。
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