研究課題/領域番号 |
19K16368
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 国立水俣病総合研究センター |
研究代表者 |
鵜木 隆光 国立水俣病総合研究センター, その他部局等, 主任研究員 (00742868)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | メチル水銀 / 活性イオウ分子 / レドックスホメオスタシス / レドックスバイオロジー |
研究開始時の研究の概要 |
水俣病に象徴されるメチル水銀による健康影響は現代でも世界的な懸念事項である。メチル水銀曝露による中枢神経系への傷害は部位・発達段階で異なるが、その理由を説明できる知見は少ない。本研究は高い求核性・抗酸化性によりメチル水銀毒性防御に寄与する活性イオウ分子の中枢神経系での存在量を時空間的に解析し、その差異がメチル水銀による傷害に特異性をもたらす因子かを明らかとし、メチル水銀毒性の根本的な謎解明に挑む。
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研究成果の概要 |
メチル水銀(MeHg)への感受性はヒトとげっ歯類いずれの脳においても発達時期および部位に特異的であるが、その要因は不明な点が多い。活性イオウ分子(RSS)はMeHgと反応して毒性の低い代謝産物であるビスメチル水銀スルフィドを形成し、解毒に寄与する。本研究では、ラット脳における RSS量とMeHgに対する感受性との関係を評価した。その結果、RSS量の僅少さはMeHgに脆弱な脳領域とよく符合した。MeHg曝露により脳中のRSSが消費される結果と考え併せると、RSSは脳におけるMeHg脆弱性の特異性を規定する要因となることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メチル水銀による中枢神経系の細胞傷害は部位・細胞種や発達段階で異なるが、その特異性が生じる要因については全容の解明には至っていない。本研究は、活性イオウ分子を介したレドックスバランス制御の観点からこの疑問にアプローチすることで、メチル水銀毒性機序の解明を通とリスク評価への寄与が期待される。また、近年急速に発展しつつあるイオウ生物学において、活性イオウ分子の有する生理的意義付けに新たな知見を提供できる。
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