研究課題/領域番号 |
19K16371
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三宅 崇仁 京都大学, 薬学研究科, 助教 (70836866)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 体内時計 / 発現制御機構 / 翻訳 / かゆみ / 膜タンパク質 / 炎症応答 |
研究開始時の研究の概要 |
生体時計は、地球の自転にともなう昼夜の規則正しい変動に基づき形成された、生命にとって最も根源的な「時間」の仕組みである. 本研究では『かゆみ』という神経感覚が一日のなかで消長する仕組みを、かゆみに関わるTRPチャネルや炎症に対する申請者の研究経験を基に解明する. 具体的には、所属研究室が所有するPer1/2/3・Cry1/2・Bmal1-KOマウスを用いて、TRPチャネルやその制御分子の発現及び翻訳後修飾の日内変動を分子レベルまで明らかにする. 本研究は、体内時計を基盤とした分子プログラムによるかゆみ症状の日内変動機構を明らかにし、かゆみ時間症状の実体の解明とその緩和を目指すことを目標とする.
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研究成果の概要 |
概日時計プログラムによる炎症性掻痒の日内変動の分子基盤の解明とその時間薬理への応用に向け、マウスの概日生理リズムを多角的に観察可能なシステムを開発し(Shimatani et al, PLoS ONE, 2021)、体内時計周期長調節を司るGPCR Gpr176の発現量がN型糖鎖修飾で制御されることを見出し(Wang et al, Sci Rep, 2020). かゆみと同じく末梢器官の局所変化が病態に結び付くマイボーム腺機能不全において、NAD+を介したマイボーム腺局所ステロイド合成量の変化が本病態増悪に結び付くことを明らかした(Sasaki et al, Nat Aging, 2022).
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでかゆみをはじめとした末梢器官の機能異常が引き金となる疾患に関する多くの研究では、末梢器官に発現する分子に焦点を当てるものが多く、そこに時間の概念は無かった.生体内の時間を形成する体内時計の制御機構に関しては、体内時計コア遺伝子mRNAの発現リズム調節を介した機構がこれまで明らかになってきたが、非転写型の調節機構にはまだ未解明な部分が残されている. そのような中本研究では、体内時計制御分子の発現量が翻訳後修飾によって制御されること、眼瞼における低分子NAD+量の概日振動がマイボーム腺機能の維持に重要であることを見出した. 時間薬理学を行う上での重要な基礎を築くことができたといえる.
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