研究課題/領域番号 |
19K16372
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
谷口 将之 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (90831751)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ミクログリア / ストレス / 脳内炎症 / エピゲノム / 内側前頭前皮質 |
研究開始時の研究の概要 |
うつ病など精神疾患の発症には遺伝的素因に加えて環境要因が関わる。これまでにストレスの反復は情動変容に伴う内側前頭前皮質の神経細胞樹状突起の萎縮を誘導すること、この変化にはミクログリアの活性化が関わることを示した。これらの知見は、ミクログリアの活性化が脳内微小環境の破綻を担う可能性を推測させるが、その実態は不明である。本研究では、エピゲノム・単一細胞遺伝子発現解析に分子生物学的操作法を組み合わせて、ミクログリアの活性化を担う転写・エピゲノム制御機構を明らかにし、脳内微小環境破綻における細胞間相互作用に迫る。本研究による成果を通じ、ストレス性疾患の病態機序解明や新たな創薬標的の提言を目指す。
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研究成果の概要 |
社会挫折から受けるストレスは、抑うつや不安亢進など情動変容を誘導し、精神疾患のリスク因子となるが、その実態には不明な点が多い。近年、慢性ストレスではミクログリアの活性化による脳内炎症が生じることが示されている。本研究では、マウス社会挫折ストレスモデルを用いて、ストレスの反復により脳領域特異的なミクログリアのエピゲノム変化が誘導されること、その変化は遺伝子発現と合致することを見出した。さらに、このエピゲノム変化に関わる転写因子を推定した。以上の成果は、ストレスがミクログリアのエピゲノム変化を誘導し、情動変容に関わる脳内炎症に寄与する可能性を示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミクログリア活性化は情動変容に関わる脳内炎症に重要である。本研究の成果は、ストレスによるミクログリア活性化・プライミングにはエピゲノム変化が重要であることを示し、その変化に関わる転写因子群の抽出に成功した。これらの成果はストレスによる脳機能変化の難可逆性の生物学的基盤に迫る点で学術的意義は大きく、またストレス関連疾患の病態の解明や、精神疾患創薬のための新たな標的を提示する点で社会的意義も大きい。
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