研究課題/領域番号 |
19K16373
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 長崎大学 (2020) 広島大学 (2019) |
研究代表者 |
岡元 拓海 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 特任研究員 (40826351)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ユビキチンリガーゼ / RNF183 / 炎症性腸疾患 / 潰瘍性大腸炎 / クローン病 |
研究開始時の研究の概要 |
潰瘍性大腸炎やクローン病を含む炎症性腸疾患(IBD; inflammatory bowel disease)は、最も患者数が多い指定難病であり、その患者数は増加の一途をたどっている。また、IBD発症の原因は不明であり、根治療法は確立されていない。そのため、IBD発症の原因解明とそれに基づく治療薬の開発が急務である。最近、IBD患者において、大腸でのユビキチンリガーゼRNF183の発現が亢進していることが判明した。そこで、本研究では、RNF183の生理的機能を解明することでIBDの発症機構を明らかにし、RNF183を標的としたIBD治療薬の開発のためのスクリーニング系の構築および薬物評価を行う。
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研究成果の概要 |
近年、炎症性腸疾患(IBD)患者の大腸において、ユビキチンリガーゼRNF183の発現が亢進していることが報告された。RNF183は基質タンパク質の同定もされておらず、生理的機能は不明であった。本研究成果により、RNF183の基質タンパク質の同定に成功し、RNF183がイオントランスポーターNa,K-ATPaseやNKCC1のライソゾーム分解を促進することを明らかにした。Na,K-ATPaseやNKCC1はIBD患者の大腸において発現減少の報告もあり、RNF183の発現亢進がIBDの病態へ関与する可能性が示された。また、近位ビオチン標識法がユビキチンリガーセの基質同定に有用であることも示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ユビキチンリガーゼと基質タンパク質は結合が弱く、一過性であることが多いため、基質タンパク質の同定が困難であった。しかし、本研究によりビオチンリガーゼを用いた近位ビオチン標識法がユビキチンリガーゼの基質タンパク質同定に有用であることを示し、ユビキチンリガーゼの研究において、その学術的意義は大きい。また、RNF183が高浸透圧ストレスにより発現誘導されるため、IBDの発症に高浸透圧ストレスが関与するという新たな知見を提示しており、社会に与えるインパクトは大きなものであると考えられる。
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