研究課題/領域番号 |
19K16384
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 (2021) 大阪薬科大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
清水 佐紀 大阪医科薬科大学, 薬学部, 准教授 (00630815)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | HCN1チャネル / てんかん / けいれん発現 / 行動薬理学 / 大脳皮質運動野 / 扁桃核 / Pilocarpine誘発けいれん重積発作 / 電撃けいれん / Fosタンパク / 4-aminopyridine / 脳内アミノ酸 / pentylenetetrazole / てんかん原性 / 神経化学 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞膜の過分極によって活性化されるHCN1チャネルは心臓や脳に多く分布し、自発性リズム形成やペースメーカーの役割を担っている。近年、HCN1チャネルはてんかんや振戦などの神経疾患の発症に関与することが報告されているが、その発症制御における機能メカニズムは不明である。 本研究は新たに作出されたHCN1チャネル欠損ラット、あるいはHCNチャネル遮断薬ZD7288を用いて、てんかん発症におけるHCN1チャネルの役割とそのメカニズムについて、行動薬理学的および神経化学的手法を用いて解析する。さらに、根本的治療法のないてんかんに対する「HCN1チャネルをターゲットとした新規治療法の考案・創出」を目指す。
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研究成果の概要 |
てんかんの発症における過分極活性化環状ヌクレオチド依存性チャネル1(HCN1チャネル)の役割とその機能メカニズムを明らかにする目的で、HCN1チャネル遺伝子欠損ラットあるいは選択的なHCNチャネル遮断薬ZD7288を用いて、行動薬理学的および神経化学的評価を行った。本研究結果より、HCN1チャネルはてんかん発作の発現感受性を制御する上で重要な役割を果たしていることが明らかとなった。さらに、HCN1チャネルの抑制は大脳皮質や扁桃核領域における神経活動を亢進し、けいれん発現を助長することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果より、HCN1チャネルの欠損および抑制は、薬物誘発や電撃刺激に伴うけいれん発現に対して、いずれも増強作用を示すことが明らかとなった。この結果は、様々なてんかんの発症におけるHCN1チャネルの重要な役割を示すものであり、HCN1チャネルはてんかん発作の発現に対して抑制的な制御機構を有していることを示唆している。また、大脳皮質や扁桃核領域にはHCN1チャネルが豊富に存在しており、HCN1チャネルを介したけいれん発現制御に深く関与している脳部位であることが考えられる。本研究成果は、HCN1チャネルを介したてんかん発症の制御機構解明における有益な知見を提供するものである。
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