研究課題/領域番号 |
19K16387
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
外川内 亜美 久留米大学, 医学部, 助教 (60809177)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 終末糖化産物受容体 / 2型糖尿病 / アプタマー / DNAアプタマー / AGE / RAGE / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病や加齢に伴い,生体内に蓄積する終末糖化産物 (AGE) は,糖尿病合併症の発症,増悪の原因と考えられている。AGEは細胞表面受容体 (RAGE) を介して,酸化ストレスや炎症などを亢進する。我々は動物モデルにおいて,AGEを標的とするDNAアプタマーが糖尿病合併症を改善しうることを報告した。しかし,RAGEはAGE以外の炎症性リガンドとも結合するため,合併症を制御するには,RAGEの阻害が必要となる。本研究では,RAGEに結合し,その情報伝達を阻害するRAGEアプタマーを作製し,このアプタマーを肥満2型糖尿病モデル動物に投与することで広範に臓器障害が抑えられるかどうか検討していく。
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研究成果の概要 |
終末糖化産物(AGE)と受容体RAGEの相互作用が糖尿病性合併症の発症と亢進に関与している。 我々はインスリン抵抗性を有する肥満2型糖尿病KKAy/Taマウスにおいて,RAGEアプタマーが尿細管障害を抑制するかどうかを検討した。8週齢のKKAy/TaマウスにRAGEアプタマーを腹腔内に4週間または8週間持続投与した。RAGEアプタマーは糖尿病マウスの尿中NAG活性とHOMA-IRの上昇を有意に抑制した。さらに,腎臓のAGE,RAGE,NADPHオキシダーゼ活性が有意に減少し,糸球体および間質部の形態変化の改善に伴い,脂肪細胞のアディポネクチン発現が増加したことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病患者数は増加の一途を辿っており,予備軍を含め2200万人が糖尿病合併症のリスクにさらされている。糖尿病腎症は新規透析導入の原因疾患第一位であり,年間1万6千人が新たに透析導入に至るほどの社会問題となっている。 本研究においてRAGEアプタマーの投与が糖尿病マウスの腎尿細管障害およびインスリン抵抗性を改善したことから,腎臓および脂肪組織のAGE-RAGE系の阻害が腎症およびインスリン抵抗性の新規治療標的となりうることが期待される。
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