研究課題/領域番号 |
19K16390
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松田 研一 北海道大学, 薬学研究院, 講師 (50812301)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 環状ペプチド / 生合成 / 非リボソームペプチド / 環化酵素 / 生体触媒 / 酵素工学 / 放線菌 / ペプチド環化酵素 / 非リボソームペプチド合成酵素 / ペプチド |
研究開始時の研究の概要 |
酵素を用いたペプチド環化反応は、環状ペプチドの新たな合成供給法として期待されている。PBP type-TEは放線菌のもつ新しいタイプのペプチド環化酵素であり、既存の酵素とは異なる特異性を示す。本酵素ファミリーはバクテリアに広く分布しており、様々な基質特異性を有することがゲノム情報より示唆されるが、ほとんどが機能未解明である。本研究では、各環化酵素により生合成される環状ペプチドの構造多様性と各酵素の基質特異性を明らかにする。また一次配列や三次元構造の比較により、基質特異性発現の仕組みを明らかにする。これにより本酵素ファミリーのペプチド環化触媒能の全容を明らかにする。
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研究成果の概要 |
放線菌の産生する非リボソームマクロラクタムの生合成に関わる新規環化酵素SurEを解析し、基質選択性を明らかにするとともにその構造基盤を解明した。SurEと2つのホモログ酵素との生化学的・構造的に比較し、基質選択性の違いを生み出す構造を明らかにした。得られた知見に基づき酵素の基質選択性の論理的な改変に成功した。さらに、酵素基質の合成スキームを検討し、高効率な合成法を確立した。本手法と酵素的環化反応を連続的に行うことで、環状ペプチドのシームレスな化学酵素合成が可能になった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ペプチドの環化反応は、代謝安定性や標的特異性が向上する創薬上重要な修飾反応である。一方で、有機合成的な環化反応は、多量の廃棄物や分離困難な副生成物を生じる問題を抱えている。本研究では、独自に発見した新規ペプチド環化酵素の触媒利用を目指し、この有用酵素ファミリーに関する基礎的知見を数多く獲得した。得られた知見は、有機合成的手法の課題を克服した環境調和性の高いペプチド環化反応の実現に向けた基盤となると考えられる。
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