研究課題/領域番号 |
19K16394
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山野 喜 広島大学, 医系科学研究科(薬), 助教 (70650597)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 難培養性微生物 / 難培養微生物 / 天然物 / 生物活性物質 / 天然物化学 / Actinoplanes / 構造解析 / モデル生物 |
研究開始時の研究の概要 |
難培養性微生物を特殊な培養装置を用いて培養し、そこから薬の元となるような化合物を精製し、その化合物の構造や生体への影響を明らかにする研究を行う。 難培養性微生物とは、これまで一般的に用いられてきた微生物の培養方法では培養できなかった微生物のことを指す。自然界にいる微生物の大部分は難培養性微生物であると言われていることから、難培養性微生物から薬の元を探すことは画期的な新薬の開発につながる可能性がある。
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研究成果の概要 |
本研究は、医薬品の探索源として重要な微生物のうち、培養が困難であるためこれまで利用されてこなかった「難培養性微生物」を新たな医薬品の探索源として利用する方法を確立することを目的に行った。 研究の成果として、自然環境下に近い条件で微生物を分離培養できる器具Gichipを作成し、それを用いて環境中から数十種類の新規微生物を分離した。取得株のうち細菌類に対しては全ゲノム解析を行い、化合物の生産能力の推定を行った。また取得株の培養物のLC-MS/MS分析結果を指標に新規化合物の探索を行い、2種の株から新規diketopiperazine1種と新規bianthracene1種をそれぞれ単離構造解析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、数多くの新規微生物を分離培養し、その全ゲノム解析を行った。この研究成果から、医薬品探索源としての新規微生物の利用が可能となり、またそのゲノム配列からは未知の化合物や難培養性関連因子の情報を抽出できることから、これらの成果が幅広い研究分野の進展に寄与することが期待される。探索源としての新規微生物は既知・新規の両方の化合物を産生するため、既知化合物の再単離という非効率な結果をもたらすことも予測されるが、本研究ではLC-MS/MS分析を利用し、新規化合物を選択的に単離する手法を確立した。これにより、難培養性微生物から医薬品候補化合物を効率的に取得する研究手法の確立に向けて大きく前進した。
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