研究課題/領域番号 |
19K16396
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
砂川 陽一 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (30466297)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | NBP1 / ノビレチン / 心不全 / p300 / アセチル化 / 心肥大 / GATA4 / アセチル化活性 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はノビレチンが心肥大を抑制し、心不全の進行を改善させる作用を有することを見出した。本申請課題では、ノビレチンの心筋細胞肥大抑制効果の詳細な分子メカニズムを明らかにすることを目的とする。ノビレチンの作用機序を解明することで、併用可能な薬物の推測、副作用の予測といった展開医療研究だけでなく、ノビレチンをリード化合物とした新規心不全治療薬の開発が可能となる。安価で安全性が確認された天然物を用いた治療法が確立されれば、医療費の削減に大いに貢献し、健康長寿につながると考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究では申請者が新たに見出したノビレチン標的因子であるNBP1の機能解析を行った。その結果、ノビレチンはNBP1と直接結合し、その酵素活性を増大させた。NBP1過剰発現マウスは圧負荷による心不全の進展を抑制した。逆にNBP1KOマウスではノビレチンの心肥大抑制・心不全発症予防作用が消失していた。以上より、ノビレチンの効果を発揮するためにはNBP1が必須であることが示された。また、NBP1は心不全発症を制御する転写コアクチベーターであるp300と結合、その活性化を制御していることを示唆する結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ノビレチンは生活習慣病、ガン、アレルギー疾患、認知症、アルツハイマー病といった疾患に有効な作用を有している。これらの報告ではノビレチンの標的因子としてERK1/2やAMPKが関与している。ERK1/2やAMPKは162個のノビレチン標的候補因子の中に含まれてはいた。申請者が見出したNBP1はノビレチンにより活性が制御されており、心不全の進行との関与が示唆する成果が得られた。今後、ノビレチンの心不全進行抑制作用の詳細な作用機序の解明がなされれば、ノビレチンを用いた心不全病態に対するより根本的な新たな治療法の開発に繋がることが期待される。
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