研究課題/領域番号 |
19K16408
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小森 久和 金沢大学, 薬学系, 助教 (00634180)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ABCG2 / Ubiquitination / Hyperuricemia / Transporter / SNP / 翻訳後修飾 / ユビキチン / 細胞内局在 |
研究開始時の研究の概要 |
生体異物の細胞外排出を担うトランスポーターABCG2は日本人において遺伝子多型のアレル頻度が高く,Q141K変異体 (421C>A) は低発現,内在化,及び輸送機能低下を示す.タンパク質の局在や発現の変化には翻訳後修飾が寄与することから、申請者は変異箇所のアミノ酸残基Gln及びLysが有する特徴に着目し,Q141K ABCG2の局在及び発現変化メカニズムをLysの翻訳後修飾の変化に基づいて検討する.また、翻訳後修飾を調節する薬物を用いて発現及び機能を回復させる方法を探索する.
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研究成果の概要 |
ABCG2トランスポーター(別名breast cancer resistance protein, BCRP)は日本人において一塩基多型のアレル頻度が高く、中でもQ141K変異体 (c. 421C>A) は低発現型であるため基質のクリアランスが低下する。我々はQ141K変異体の発現低下メカニズムを翻訳後修飾に基づいて検討した。 その結果、野生型のGln141が安定性に重要であること、また、Q141K変異体はGln141の喪失による安定性の低下に加え、獲得したLys141でユビキチン化を受けることで初期から後期エンドソームへの移行が促進され、発現量が低下していることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ABCG2は高尿酸血症や痛風の原因遺伝子として見出されているほか,ABCG2の機能低下は生活習慣病の重要な危険因子と考えられている.他にも,臨床で基質薬物のクリアランスが低下するなど,Q141K変異体は生体ホメオスタシスや薬物治療上の問題点となっている.本検討結果はc.421C>Aによる遺伝性疾患であっても薬物によりUb化を制御することで発現を回復できる可能性を示すものである。本研究により,翻訳後修飾を調節することでトランスポーターを制御し,関連疾患症状の改善および基質薬物の動態を至適化できる新しい方法論を提唱することができるものと期待される.
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