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がん病態時における血中miRNAに基づくオピオイドの至適薬物療法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 19K16409
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分47060:医療薬学関連
研究機関浜松医科大学

研究代表者

佐藤 聖  浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤主任 (70833482)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードオキシコドン / miRNA / がん悪液質 / マイクロRNA / オピオイド / 鎮痛効果 / バイオマーカー
研究開始時の研究の概要

オピオイドは優れた除痛効果を有するものの、その臨床効果については個人差が大きい。近年、オピオイドシグナル伝達系に及ぼすmicroRNA(miRNA)の影響が注目されており、オピオイドによる疼痛治療の個別化に向けた新規バイオマーカーとしての有用性が期待される。本研究では、がん患者を対象に、オピオイド投与後の血中miRNAレベルの変動、オピオイドの臨床効果との関係性を評価する。本研究により、がん患者における血中miRNAに基づくオピオイドの至適薬物療法の構築を目指す。

研究実績の概要

浜松医科大学病院において、オキシコドン徐放錠を内服しているがん患者を対象とした。がん悪液質の進行度は、Fearonらの国際基準を用いて、前悪液質群、悪液質群、不応性悪液質群に分類した。定常状態におけるオキシコドンおよびノルオキシコドンの血中濃度はLC-MS/MS法により測定した。血中のmiRNA-27b、miRNA-130b、miRNA-142、let-7a、miRNA-23bの発現量について、real-time PCR法により評価した。Cel-miR-39により補正を行い、ΔCT値とした。本研究は、浜松医科大学の生命科学・医学系研究倫理委員会の承認を受け実施した。
悪液質群(P=0.045)または不応性悪液質群(P<0.001)では、前悪液質群と比較して、血中オキシコドン濃度が高値を示した。また、血中濃度比(ノルオキシコドン/オキシコドン)が悪液質群および不応性悪液質群で低値を示し、CYP3A活性の低下が示唆された。
不応性悪液質群では、前悪液質群または悪液質群に比べて、miRNA-130b(P=0.003)およびmiRNA-142(P=0.021)のΔCT値が高値を示した。しかしながら、それらmiRNAと血中オキシコドン濃度、血中濃度比(ノルオキシコドン/オキシコドン)に関係性は認められなかった。
オキシコドン徐放錠の内服を新規に開始したがん患者において、let-7aおよびmiRNA-23bの経時的変化を評価したところ、let-7aはオキシコドン導入後に血中発現量が上昇し、その後は比較的早期にベースラインまで減量する傾向が認められている。一方で、miRNA-23bの発現量に変化は認められなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

オピオイドの薬物動態に関係すると考えられるmiRNAについては、オピオイドの血中動態との関係性を評価できている。一方で、オピオイドの臨床効果の予測に有用と考えられるmiRNAについては、オピオイド導入後の経時的な血液検体を入手できる症例が少なく、予定よりやや遅れている。

今後の研究の推進方策

令和元年度に開始した臨床試験の患者登録を進めていくとともに、がん悪液質の進行度の評価、オピオイドの臨床効果の判定、血中miRNAの定量を継続する。解析対象とするmiRNAについては、新規にmiRNA-103a、miRNA-146a、miRNA-181、miRNA-339を追加することを計画している。また、現在はオキシコドンを新規に導入した患者を中心に患者登録を進めているが、フェンタニルおよびトラマドールを使用している患者についても評価することで、3種類のオピオイドのそれぞれの特徴についても明らかにしていく。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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