研究課題/領域番号 |
19K16414
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
岡田 直人 徳島大学, 病院, 薬剤師 (30623269)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 免疫チェックポイント阻害薬 / 個別化治療 / 間質性肺炎 / 医療ビッグデータ / 治療効果予測 / アルゴリズム / 免疫関連有害事象 / 抗PD1抗体薬 / 遺伝子多型 / バイオマーカー / 個別化医療 |
研究開始時の研究の概要 |
抗PD1抗体薬はがん治療の中心的薬剤であるが、治療効果を最大限得るためには適切な患者選択による治療最適化が必要である。しかしながら、これまでに抗PD1抗体薬の治療効果を予測するバイオマーカーは臨床応用されていない。本研究は、PD1遺伝子の発現を制御する遺伝子多型(SNP)に着目し、PD1発現制御SNPの保有と抗PD1抗体薬の臨床効果との関連を解析する。そして得られた知見や申請者がこれまで同定した複数のバイオマーカーを融合させた、抗PD1抗体薬の新規治療効果予測法の開発を目的とする。本研究により、抗PD1抗体薬の新たな個別化投与法が提案でき、抗PD1抗体薬の更なる有用性の向上が期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究はPD1発現制御SNPの保有と抗PD1抗体薬の臨床効果との関連を解析することを目的とする。新型コロナウイルス感染症の流行により患者同意を取得することが困難になったため、臨床データベースを用いて新たな抗PD1抗体薬の臨床効果予測バイオマーカーの同定を試みた。その結果、(1) 抗PD1抗体関連間質性肺炎のバイオマーカーとして、ブリンクマン指数1000以上の喫煙歴やPSを、(2) 抗PD1抗体関連心筋炎のバイオマーカーとして年齢や性別を、(3) 抗PDI抗体関連重症筋無力症のバイオマーカーとして年齢を同定した。本研究により、抗PD1抗体薬の有害事象予測法構築に有用なバイオマーカーが同定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の推進により、抗PD1抗体薬の有害事象予測に必要なバイオマーカーが複数同定された。抗PD1抗体薬は殺細胞性抗がん薬と異なり、多種多様な有害事象が発現する。そのため、有害事象の事前予測を可能にする本研究成果は、今後の抗PD1抗体薬を用いたがん化学療法の安全性向上に寄与する。特に本研究で着目した間質性肺炎や重症筋無力症は、致死率の高い有害事象であるため、本研究の重要性は高いと考えられる。 今後は、本研究の最初の主題であった、遺伝子多型解析が施行可能になれば、遺伝子多型情報と本研究過程を通じて得た知見を融合させることで、さらに予測精度の高い、抗PD1抗体効果予測法が構築可能と考えられる。
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