研究課題/領域番号 |
19K16416
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
山城 貴弘 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 助教 (20826614)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | ピリドキシン / トランスポーター / 腸管吸収 / ビタミン / 動物種差 / 小腸 / 吸収 / 大腸癌 |
研究開始時の研究の概要 |
ピリドキシンは水溶性ビタミンの一つであり、その供給は食物からの摂取に依存している。しかし、ピリドキシンの腸管吸収に働くトランスポーターの存在が推定されながらも、その分子実体は長らく不明であった。申請者は、この問題への取り組みに着手し、ピリドキシン輸送活性を有するトランスポーターを見出すことに成功した。本研究では、このピリドキシントランスポーター(PDXT)の輸送機能及びピリドキシンの腸管吸収における役割を明らかにすることで、ピリドキシンの吸収メカニズムの解明を目指す。また、ピリドキシンが抗腫瘍作用を有するとの報告があることから、PDXTを介した輸送との因果関係の解明にも取り組む。
|
研究成果の概要 |
哺乳類で初めてのピリドキシン(ビタミンB6)トランスポーターとして、PDXT(pyridoxine transporter)を同定し、その輸送特性が明らかとなった。さらに、Caco-2細胞(ヒト小腸上皮細胞モデル)においてPDXTの機能的発現が確認され、PDXTがピリドキシンの腸管吸収に関与することが示唆された。一方で、ラットのPDXTにはピリドキシン輸送機能が認められず、ヒトとラットにおいて、その吸収に動物種差があるものと考えられる。また、PDXT機能と大腸癌との関連性を見出すには至らず、今後のさらなる検討を要すると考えられる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水溶性ビタミンは、その物理化学的な性質(高水溶性)から、単純拡散による小腸上皮細胞膜の透過は困難であり、その腸管吸収にはトランスポーターが関与することが知られている。しかしながら、水溶性ビタミンに分類されるビタミンB群及びビタミンCの中で、唯一、ビタミンB6のトランスポーターのみが未同定のままであり、大きな課題となっていた。本研究により、ピリドキシントランスポーターとしてPDXTが同定され、腸管吸収に関与していることが示唆された。本研究成果は、ピリドキシンの腸管吸収機構の解明を進展させ、腸管からの十分な吸収の確保ないし吸収不足に起因する欠乏症の回避等に役立つものである。
|