研究課題/領域番号 |
19K16427
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
榎屋 友幸 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 准教授 (60803260)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | トロンボモデュリンアルファ / DIC / 敗血症 / トロンボモジュリンα / S100A8 / S100A9 / PLA2G2A / 播種性血管内凝固症候群 / LPS / トロンボモジュリン / 血管透過性 |
研究開始時の研究の概要 |
TM-αのDICに対する詳細な機序は解明されてなく、臨床効果には個体差がみられる。したがって、作用機序の全貌および個体差要因を解明することが急務となっている。これまでにDIC患者の血漿中で、TM-αが炎症および血管透過性に関係する様々なタンパク質と相互作用していることを発見した。これらのタンパク質とTM-αの相互作用はこれまでに報告がなく、TM-αがこれらのタンパク質を介して、抗炎症作用や血管透過性亢進の抑制に寄与し、TM-αの臨床効果の個体差に関連している可能性がある。本研究では、これらのタンパク質を介したTM-αの作用機序を解明し、臨床効果の個体差要因を同定する。
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研究成果の概要 |
本研究は、トロンボモジュリンα(TMα)の相互作用と機能を解明し、新規治療戦略開発の可能性を示唆した。TMαはPLA2G2Aと直接相互作用し、ITGαVβ3との相互作用に競合的に影響を及ぼすことで抗炎症作用を発揮する可能性が示唆された。TMαはS100A8/S100A9ヘテロダイマーと相互作用するが、その機能的影響は不明であった。一方、TMαはLPSと相互作用することが知られているが、LBPやsCD14との相互作用は阻害せず、LPSを介した抗炎症作用はsCD14によるLPSのTLR4へのリクルート阻害による可能性が示された。これらはDIC治療法開発に貢献すると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
敗血症による播種性凝固血管内症候群(DIC)は死亡率が高い。ヒトトロンボモジュリン(TM)の遺伝子組み換え製剤であるTMαは、DICに対して唯一臨床効果が認められている薬物であるが、その詳細な機序は解明されてない。また、TMαの臨床効果には個体差がみられ、臨床効果を最大に発揮するために、作用機序の全貌および個体差要因を解明することが急務となっている。本研究は、新たなTMαとの相互作用分子とその機能を発見した。本研究の成果は、ヒトTMの生物学的機能の解明に加え、DICの重症化に関連する因子やDICの新規治療戦略開発の可能性に繋がると考えられた。
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