研究課題/領域番号 |
19K16431
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
大竹 裕子 近畿大学, 薬学部, 講師 (40803771)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 吸入用ナノ粒子 / パクリタキセル / ビーズミル / 湿式破砕 / 肺がん治療 / 体内動態 / 肺内投与 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、肺がん治療薬として用いられているパクリタキセルとナノサイズまでの破砕が可能なビーズミル法を基盤とし、肺がん吸入用治療薬としての吸入用抗がん剤ナノ粒子の創製を試みる。具体的に、ビーズミルの調製条件および処方条件を適宜変化させることで、100 nm 以下の吸入用パクリタキセルナノ粒子を調製し、マウスへの肺内投与による体内動態および肺障害性について評価を行うとともに、肺転移癌モデルマウスを用いた治療効果について検討を行う。本研究を通じて、肺がん治療における吸入用パクリタキセルナノ粒子の有用性および粒子径100 nm以下の吸入用薬物ナノ粒子に関する体内動態および安全性について明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、肺がん治療薬として用いられているパクリタキセル(PTX)とナノサイズまでの破砕が可能なビーズミル法を基盤とし、肺がん吸入用治療薬としての吸入用抗がん剤ナノ粒子の創製を目指した。ビーズミルの調製条件および処方条件の最適化を通じて、粒子径100 nm 以下を示す吸入用PTXナノ粒子懸濁液の調製に成功した。調製した懸濁液をマウスに経肺投与したところ、PTXの肺局所性が高まり、血中移行性を抑制することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
薬物ナノ粒子の吸入剤化に向けた検討が進められているが、粒子径100 nm以下のナノ粒子の調製が困難、粒子径に起因する体内動態の変化などの課題が挙げられる。また、がん化学療法の主剤形である注射剤を用いた治療は、疾患部位以外に薬物が到達するため全身性副作用の発現が問題となっている。以上の点から、吸入用抗がん剤ナノ粒子を応用した肺がん治療は疾患部位である肺に薬物を直接送達可能であり、少量の薬物投与による効率的な治療、全身性副作用の軽減が期待される。本研究により得られる成果は、吸入用薬物ナノ粒子によるドラックデリバリーシステムの新たな確立に繋がるとともに、患者のQOL向上に大きく貢献可能な研究である。
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