研究課題/領域番号 |
19K16432
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
中野 貴文 福岡大学, 薬学部, 助教 (40804539)
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研究期間 (年度) |
2021-11-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 脳梗塞 / 組織プラスミノーゲンアクチベータ / マイクロバブル / 血栓溶解薬 / t-PA / トロンビン |
研究開始時の研究の概要 |
本申請課題の目的である「マイクロバブル化したt-PAが脳出血誘発リスクを低下させ、更にはt-PA治療の制限時間を延長することができるのか」を明らかにするために、脳梗塞モデルマウスを用いて以下の実験1~4を期間内に実施する。 【1】マイクロバブル破裂の条件を決定する 【2】マイクロバブル化したt-PAの脳梗塞有効投与量を明らかにする 【3】t-PAとマイクロバブル化したt-PAの治療効果、出血の有無、制限時間を比較する 【4】マイクロバブル化したt-PAの出血リスクが低下するメカニズムを解明する
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研究成果の概要 |
本研究では、組織プラスミノーゲンアクチベータ (tPA) とマイクロバブル化したtPA (micro-tPA) の脳梗塞治療可能時間を4時間中大脳動脈閉塞モデルマウスを用いて評価した。その結果、micro-tPA (2.0 mg/kg) は脳出血の誘発をすることなく、梗塞巣体積を減少させた。対照的に、tPA (10 mg/kg) は治療効果を示すことなく、大量の脳出血を併発させた。この結果より、micro-tPAはtPAと比べて長い治療可能時間を持ち、新しい脳梗塞治療法になる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
tPAは発症から遅れて投与すると脳梗塞で脆くなった血管から出血を引き起こすため、脳梗塞発症から4.5時間以上経過した患者には投与することができない。そのため、tPAが適応となる患者は脳梗塞患者全体の10%程度しかおらず、このことが脳梗塞による後遺症患者の増加の要因となっている。本研究では、マイクロバブル化させたtPAは、通常のtPA治療よりも出血リスクが少ないことが明らかになった。本研究成果を更に発展させることで、脳梗塞治療のタイムリミットである発症から4.5時間を拡大できる可能性があることを示した。
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