研究課題/領域番号 |
19K16446
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
幡生 あすか 大阪大学, 大学院薬学研究科, 助教 (40790895)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 薬学教育 / 行動経済学 / ナッジ / セルフメディケーション |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢化社会という現実と健康志向の高まりの中、医療費増加の抑制と健康寿命延伸のためにセルフメディケーションの推進が不可欠である。そこで薬剤師が行動経済学を学び、来局者が取りうる不合理な行動について理解し、その是正を促す(ナッジ [nudge] する)ことで来局者の満足度の上昇と効率的な医療の両方に貢献できると考えた。本研究では「薬剤師及び薬学生は、セルフメディケーション支援にあたり、どのように行動経済学を学び、実践していくべきか」を明らかにする事を目的とし、アンケート調査、インタビュー調査、経済実験を行う。得られた知見を基に行動経済学を薬学教育及び薬剤師業務に応用するプログラムの構築を試みる。
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研究実績の概要 |
本課題では、「薬剤師及び薬学生は、どのように行動経済学を学び、その学びをセルフメディケーション支援に際して、どのように実践していくべきか」を明らかにする事を目的とした。2023年度は、(1) 「行動経済学の薬学教育への導入に関する検討」について、薬学部における行動経済学の導入授業を継続して実施した。この導入授業での2022年度のレポート課題を用いて、テキスト分析を実施した。(2) 行動経済学の視点を取り入れた服薬模擬体験を考案し、大阪大学の学生を対象として実施した。服薬模擬体験の内容は、A群:タブレット菓子を服用し、その都度オンラインで服用を報告する、B群:タブレット菓子は服用せず、決められた時間にオンライン報告のみ行う、C群:タブレット菓子を服用し、服用状況は最終日のアンケート内で報告する、とした。模擬服薬の実施率(平均実施回数±標準偏差)はA群69.9%(19.6±7.28)、B群73.8%(20.7±6.74)、C群82.2%(23.0±5.34)であり、A群とC群の間でのみ有意差を示した (p = 0.0432、post hoc 検定:A群vs C群 p=0.032)。模擬薬を服用する代わりに決められた時間にオンライン報告を行う事で部分的に服薬模擬体験が実施できる可能性が示唆された(幡生他. 第55回日本医学教育学会大会 予稿集)。現在、服薬模擬体験の実施率と行動特性との関連について検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1) 行動経済学の薬学教育への導入については、2022年度の授業レポートの自由記述のテキスト分析を行い、受講生の興味・関心の傾向を明らかにする事を試みた。(2) 行動経済学の視点を取り入れた服薬模擬体験は、2023年5月の実験でデータ収集を終了し、現在、結果の分析中である。(2) について、学会発表を行った。現在、論文投稿の準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
(1) 行動経済学の薬学教育への導入について、現在、受講者のレポートの分析を進めており、2024年度中に学会発表を行う予定である。(2) 行動経済学の視点を取り入れた服薬模擬体験は、現在結果の分析を進めている。2024年度中に学会発表・論文投稿を行う予定である。
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