研究課題/領域番号 |
19K16451
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 横浜薬科大学 (2020-2021) 高崎健康福祉大学 (2019) |
研究代表者 |
矢野 健太郎 横浜薬科大学, 薬学部, 講師 (40644290)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | リンパ腫 / 薬物耐性 / 排出系トランスポーター / P-糖タンパク質 / 転移 / 濾胞性リンパ腫 / 輸送機能亢進 / 持続曝露 / P-gp / 機能調節因子 / 悪性化 / ドキソルビシ / ビンクリスチン / P-糖タンパク / 薬剤耐性 / 足場タンパク |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、まず始めに抗がん薬の持続曝露により、耐性および転移能を亢進させた悪性化リンパ腫細胞を作出する。また、この細胞における薬物を細胞外へ掃き出す輸送タンパク質であるP-gp、および転移を促進する因子のひとつであるSnailの発現量が変化するかを確認する。一方、エクソソームと呼ばれる微小な分泌小胞で伝達される物質が、がんの悪性化を促進していることが近年数多く報告されている。本研究においても、作出した悪性化リンパ腫細胞から放出されるエクソソームを回収し、薬物耐性や転移能を亢進させる因子が含まれているかを解析する。以上により、薬物耐性の克服および転移抑制を可能とする、創薬ターゲットを見出す。
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研究成果の概要 |
B細胞由来の非ホジキンリンパ腫に分類される濾胞性リンパ腫 (FL) に対して、臨床で用いられる抗がん薬を継続的に曝露したところ、薬物耐性能の亢進が認められた。また、耐性能が亢進した細胞において、P-糖タンパク質 (P-gp) の発現亢進に基づく輸送機能亢進が認められた。一方で、P-gp阻害薬を併用した場合には薬物耐性の減弱が認められた。これらの結果から、治療薬に持続的に曝露されたリンパ腫細胞は、P-gpの発現増加を介して薬物耐性を増強させることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、濾胞性リンパ腫細胞に対して、実際に濾胞性リンパ腫の治療に用いられる抗がん薬であるドキソルビシンとビンクリスチンを持続的に曝露した結果、薬物耐性能が亢進した細胞株を樹立することに成功した。この成功により、既存のリンパ腫の研究とは異なり、臨床で実際に確認されるリンパ腫細胞の薬物耐性およびその誘導メカニズムを解析していくことができるものと期待される。また、そのメカニズムのひとつとして、抗がん薬を細胞外へと掃き出すP-糖タンパク質の発現および機能上昇を見出した。以上の点で、本研究の成果は学術的および社会的意義が大きいと考えられる。
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