研究課題/領域番号 |
19K16465
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
|
研究機関 | 富山大学 (2021-2022) 立命館大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
井上 大輔 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (50550620)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 経鼻投与 / 脳内薬物送達 / 神経変性疾患 / 経鼻投与型製剤 / 神経炎症 / 製剤開発 / 粉末製剤 / 中枢系疾患治療薬 / 中枢系疾患 / Glymphatic system / 薬物送達システム |
研究開始時の研究の概要 |
近年、アルツハイマー病などの神経変性疾患の発症に神経炎症が深く関与し、活性化グリア細胞や炎症性物質の集積に起因したアミロイドβなどの老廃物の脳内蓄積が神経疾患を惹起することが強く示唆されており、神経炎症の抑制が神経変性疾患の根治的治療に繋がる可能性が示されている。これまでに、経鼻投与を利用することで脳移行性が低い薬物も鼻腔から脳へ直接送達され、脳実質まで送達できることを示してきた。本研究では、経鼻投与による神経変性疾患の根治的薬物治療法の開発を目指し、抗炎症薬物の脳内送達性を薬物動態解析し、経鼻投与の有用性を実証する。更に、経鼻投与による神経炎症抑制効果及び認知機能改善効果を検証する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、経鼻投与による効率的脳内薬物送達法を利用した神経変性疾患の新規治療薬開発を目指して、抗炎症薬の経鼻投与による神経炎症抑制効果について検討を試みた。本研究ではまず、効率的な鼻から脳への薬物送達を達成できる経鼻投与型製剤化研究を進めた。種々剤形の固形製剤を調製した結果、粉末製剤では、鼻腔内溶解性の改善及び良好な噴霧特性の付加が可能であり、経鼻投与後の脳移行性が向上することが明らかとなった。現在、本検討で開発した抗炎症薬の粉末製剤を用いて、LPS誘発神経炎症モデルラットに対する神経炎症抑制効果の検討を継続している。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、現在、根治的治療法がない神経変性疾患に対する治療薬開発に繋がる新規知見を得ている。神経変性疾患は世界的に急増している一方でその治療薬がなく医薬ニーズの極めた高い疾患群である。本研究成果を発展させることで、神経変性疾患の治療を可能にする画期的医薬品の開発を目指している。また、通常の投与方法では脳をはじめとした中枢神経系へ十分量の薬物を送達することは困難であり、低い薬物送達性は中枢神経系疾患に対する治療薬開発の大きな障壁となる。本研究は、実利用可能な脳への薬物送達プラットフォームとして経鼻送達技術を発展できる可能性があり、得られた成果は社会的意義も大きいと考えられる。
|