研究課題/領域番号 |
19K16467
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
|
研究機関 | 崇城大学 (2020) 九州保健福祉大学 (2019) |
研究代表者 |
月川 健士 崇城大学, 薬学部, 助教 (60772027)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | アルブミン / ドラッグデリバリーシステム / がん / ピラルビシン / 酸性環境応答性 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト血清アルブミン(Human Serum Albumin; HSA)は、生体適合性、血中滞留性、がん標的性に優れ、抗がん剤運搬体として非常に有用な生体高分子である。このHSAに抗がん剤ピラルビシン(THP)を結合させ、がん組織集積後にがん組織内(酸性環境)でTHPを遊離する環境応答性高分子化抗がん剤(HSA-THP)を開発する。動物実験でHSA-THPのがん組織集積性やTHP遊離性、そして抗がん作用や副作用を検討することで、HSA-THPが高い治療効果を発揮する副作用の少ない高分子化抗がん剤となるか検証する。
|
研究成果の概要 |
ヒト血清アルブミン(HSA)一分子あたり、ピラルビシン(THP)が約2分子結合したHSA-THP2、約4分子結合したHSA-THP4を作製した。両HSA-THPともに、酸性環境下で多くのfree THPを放出し、高い殺細胞効果を示した。両HSA-THPともに酸性環境応答性を示すことが確認できた。続いて、in vivo抗がん効果を検討した結果、体重減少などの目立った副作用は見られず、元のfree THPより高い抗がん効果を発揮した。また、両HSA-THP間では有意な差は見られなかった。以上の結果から、両HSA-THPは、酸性環境応答性を有する、効果的な抗がん剤になると期待できる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ヒト血清アルブミン(HSA)とアントラサイクリン系抗がん剤ピラルビシン(THP)を用いた酸性環境応答性高分子化抗がん剤(HSA-THP)を開発した。酸性環境(がん組織環境)応答性や元のTHPより高い抗がん効果を示したことから、がん組織選択的に機能する、安全かつ効果的な高分子化抗がん剤治療が期待できる。また、シンプルな薬物送達システムであり、他の抗がん剤や抗がん剤の効果増強剤などへの応用も可能であり、高分子化抗がん剤治療の戦略が広がることが期待される。
|